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11月20日(木) 「アホノミス」の最初は批判の大合唱を生み出した自己チュー解散 [解散・総選挙]

 「有利な状況だと勘違いして安倍首相が賭けに出た総選挙ですが、どうやらこの『暴走解散』ももう一つのアホノミスになりそうです」
 私は11月18日付けのブログ「『アホノミス』によって崖っぷちに立たされた日本経済」で、こう書きました。今回の解散はアホである安倍首相のミスではないかと問題提起したわけです。

 その後、解散を表明した記者会見やその後のテレビなどへの出演に対して、予想外に多くの批判が寄せられています。安倍首相はこれほどの批判の大合唱になると思っていなかったでしょう。
 それどころか、「してやったり」とほくそ笑んでいたのではないでしょうか。野党や自民党議員の多くの意表を突いたのですから……。
 ところが、解散を表明した18日の記者会見やテレビ出演での説明などに対して、思わぬ批判の嵐に直面しました。解散の時期やその理由をめぐってこれほど多くの批判が寄せられたことは、おそらくこれまでなかったのではないでしょうか。

 自民党と公明党の与党にとって、今解散する必要性はありません。それどころか、3分の2以上の現有勢力を減らす可能性が高いですから、解散はできる限り先である方が好都合です。
 しかも、議員の任期は2年以上も残っています。何も急いで解散する必要はないと考えるのも当然でしょう。
 しかし、安倍首相にとっては、事情が異なります。与党の議席を少しくらい減らしても。今のうちに解散・総選挙で政権基盤を安泰にしておきたいという思いの方が強かったにちがいありません。

 そう思ったのは、これから政権が下り坂にさしかかるのは確実だからです。安倍首相はアベノミクスがうまくいっているかのように強弁していますが、それなら消費増税を先延ばしする必要はなかったはずですし、消費増税の先延ばしだけだったなら解散する必要もなかったはずです。
 「今のうちにやってしまおう」と考えたのは、次々に不利な材料が出てき始め、このままでは解散するチャンスを失うかもしれないと心配になったからです。8月頃から景気の先行きに対する不安を感じ始め、9月に入ってやりたくもなかった内閣改造を行い、「政治とカネ」をめぐる不祥事で2人の閣僚が辞任し、内閣の前途に暗雲が漂い始めました。集団的自衛権の行使容認の閣議決定を急ぐあまり公明党との関係がギクシャクし、ガイドラインの改定や関連諸法の条文の改定についての作業も滞るようになりました。
 そうこうするうちに、消費再増税を決断する時期が迫ってきました。再増税は景気の腰折れをもたらす危険性があり、さりとて延期すれば政治責任を問われるため、進退に窮し袋小路に入り込んだというわけです。

 こうして解散に逃げ道を求めたわけですが、それを必要としたのはあくまでも安倍首相個人であって、政権与党ではありません。自らの都合を最優先し、絶対多数を持つ政権与党を犠牲にしたのが安倍さんの今回の解散です。
 与党の議員からすれば、たまったものではないでしょう。安倍さんの自己中心的な我儘から議員の首を斬られ、次も当選して国会に戻ってこられるかどうか、分からないのですから……。
 これまでになく解散の大義名分についての批判があり、解散の必要性そのものについて疑義や異議が出されているのは、そのためです。安倍首相の説明が全く説得力を持たず、解散・総選挙の正統性が疑われているのも当然でしょう。

 もし、この総選挙で安倍首相が敗北すれば、その敗因の第1に挙げられるのはこのような時期に自分勝手な都合で解散したことでしょう。国民に説明がつかず与党の議員さえ納得させられないような自己チュー解散が、そもそもボタンの掛け違いの始まりだったのだと……。


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