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3月18日(水) 政治家の劣化を象徴するような三原じゅん子参院議員の愚劣な国会質問 [国会]

 「とうとうこんな質問をする議員が登場するようになってしまったんだなー」と、呆れてしまいました。「金八先生」もびっくりするような三原じゅん子自民党参院議員の国会での質問です。

 三原議員は16日の参院予算委員会で、企業の国際的な課税回避の問題を取り上げる中で「ご紹介したいのが、日本が建国以来、大切にしてきた価値観、八紘一宇(はっこういちう)であります」と述べ、「八紘一宇の理念のもとに、世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用することを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを、安倍総理こそが世界中に提案していくべきだと思う」と質問しました。
 これに対して、麻生太郎副総理兼財務相は「八紘一宇は戦前の歌の中でもいろいろあり、メーンストリーム(主流)の考え方の一つなんだと思う。こういった考え方をお持ちの方が、三原先生の世代におられるのに正直驚いた」と答弁しました。
 質問された麻生副総理も困ってしまったでしょうが、その麻生さんも、かつて「ナチスの手口に学んだらどうか」というトンデモ発言をして批判されたことがあります。「似た者同士」での質疑だったということになりましょうか。

 「八紘一宇」という言葉はもともと「世界を一つの家とする」という意味でしたが、太平洋戦争中、日本の侵略を正当化するための標語として使われた過去があります。このような背景からすれば、この言葉を肯定的に引用して質問することをはばかるのが普通の感覚です。
 三原議員はこのような歴史的な事実を知らずに質問したのでしょうか。もしそうであれば、国民として知っているべき基本的な知識を欠落していることになります。
 歴史教育が十分になされず、過去の侵略戦争の歴史についての基本的な知識が欠落すればどのような人間が生まれてくるかを示す典型的な例の一つで、これは国会の歴史においても大きな汚点になります。もちろん、国会議員としての資質を欠いていることは明白で、即刻、議員の座を去るべきです。

 それとも、三原議員は侵略戦争を合理化し遂行するためのスローガンであったという歴史的な背景を知っていて質問したのでしょうか。もしそうであれば、過去の戦争を肯定し、美化する立場を明示したことになります。
 このようなトンデモ質問が堂々と行われたのは前代未聞の恥ずべき出来事にほかなりません。その背景には、安倍政権によってかもし出されている右翼的な空気があるということも、同時に指摘する必要があります。
 安倍政権の閣僚や首相が任命した自民党役員の中には、ヘイトスピーチで問題となっている在特会や日本版ネオ・ナチ勢力とのツーショット写真を撮り、それが問題とされてもおとがめなしで、国会内で平然と風を切って闊歩しています。このような国会の雰囲気からすれば、三原議員の今回の質問も顰蹙を買うどころか評価されかねません。

 日本人2人が過激派集団によって人質にされても見殺しにする政府、「日教組はどうなんだ」と根拠のないヤジを飛ばした首相、「政治とカネ」の問題を追求されても「知らなかった」と居直って反省することのない議員たち、ハイヤー代をケチろうとしてバレたら慌てて支払ったNHK会長、そして今回の「八紘一宇」を評価する国会質問などなど……。
 一体、この国はどうなってしまったのか、と言いたくなります。このような政治と政治家の劣化も、安倍政権の暴走を許してしまっている大きな要因ではないでしょうか。
 安倍政権の暴走阻止のためにも、これらの人々にはキッチリと責任を取らせる必要があります。その表れの一つ一つに対してきちんと「対決」し、問題点を明らかにして追及することが今ほど必要になっているときはありません。

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