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6月23日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月22日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「五輪は400万人のバカ騒ぎ 飲酒は「2人90分」のアホらしさ」

 32日後に迫った五輪をめぐり、5者協議が21日開催。オンラインで顔を並べたのはIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長、IPC(国際パラリンピック委員会)のパーソンズ会長、小池都知事、丸川五輪担当相、大会組織委員会の橋本聖子会長で、メインテーマは観客の上限の引き上げだ。これまで「収容人数の50%を上限に最大5000人まで」としてきたが、菅政権の方針に沿って東京の重点措置解除を前提に「収容人数の50%を上限に最大1万人まで」に緩和。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志は「無観客開催が望ましい」と提言しているのに、完全に無視だ。有観客路線を曲げないどころか、キャパを広げようというのだからメチャクチャである。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「密を回避せよ、人流を抑制せよと言って飲食店に制約を強いながら、特別扱いの五輪は収容人数を目いっぱい増やす。カネのための五輪強行、内閣支持率アップのための五輪強行、総選挙勝利のための五輪強行であることがあからさまです。政府は人流増加で大きなリバウンドを招き、新規感染者、重症者、死者が増えてもお構いなしなのでしょう。思考停止で五輪開催に突き進み、行動変容をしない政府に協力を求められ、どれほどの国民が応じるでしょうか。はなはだ疑問です」

 東大准教授の仲田氏らは、東京では前回の宣言解除後を上回るペースでリバウンドが起きる可能性を指摘している。

 前回宣言が解除された3月22日以降の東京の新規感染者数の推移を基に分析。3月22日の7日間平均の感染者数は302・9人だったが、自粛要請の緩和などに伴う人流増加などが要因となり、4週間後の4月19日には600・6人に倍増していた。今月10日以降は390人前後で推移しているが、前回同様の人流増加などがあれば4週間後には感染者数が約400人増える可能性があると結論付けた。国の指標である「ステージ4」を軽々と突破するというのである。

 国立感染症研究所などの研究チームも同様の試算を出している。人出が宣言解除後に10%、1カ月かけて15%増えると、7月下旬に都内の新規感染者が1日500人超え。五輪開催でさらに10%増えれば、8月上旬に1000人を突破し、下旬のパラリンピック閉幕前には1500人に迫るという。

 「この政権は狂っているんじゃないか。政権の方向性が理性で理解できない、全くついていけない。多くの国民がこうした不安を抱いています。わずか1年足らずで新型コロナ対策で同じ過ちを繰り返し、国民の健康と命は一向に顧みられない。最善のコロナ対策は政権交代、これしかありません」(五十嵐仁氏=前出)

 五輪がトリガーになり、いよいよ狂乱的破滅に向かう前に、国民が行動を起こすしかない。



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