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12月18日(日) あれから、もう1年の月日が流れたのか [日常]

 あれから、もう1年の月日が流れたのですね。私が「無党派共同」の候補として八王子市長選挙に立候補したときから。

 まさに驚天動地の出来事でした。当時、NHKの朝の連続テレビドラマの主人公の口癖を借りて、「びっくりポンです」と言っていたのが昨日のように感じられます。
 私が正式に立候補の要請を受けて受諾したのが12月4日。それから内部での調整と準備があり、記者会見での出馬表明が12月18日でした。
 今からちょうど1年前の今日のことです。戦争法案に反対するノーウォー八王子アクションなどでの共同の枠組みを大切にしたいと思い、「無党派共同」の候補として立候補することを決意したわけですが、経験したことのない異次元の世界に身をゆだねることになりました。

 最初に街頭演説に立ったのが23日で、事務所開きが27日です。翌28日は仕事納めで、世間とともに関係者の多くも年末年始の休みに入ってしまいました。
 私は開発予定地の視察や反対運動に関わっている方からの聞き取りなど、この間も休む暇はありませんでした。元旦の朝から高尾山の手前にある金比羅神社に行って必勝祈願をしたことも思い出されます。
 2日にはJR八王子駅で街頭演説、3日からは宣伝カーが動き、本格的な街頭宣伝活動が始まりました。この時から1月24日の投票日まで嵐のような日々が続き、過酷な試練の毎日を経験することになります。

 私の支持に回ったのは共産党や社民党だけでなく維新の党や生活者ネット、無所属の市議さんなどで、民主党の有田芳生参院議員が個人として応援してくださり、生活の党と山本太郎と仲間たちの山本太郎参院議員からも応援メッセージをいただきました。市長選の翌月である2月19日に参院選に向けて野党による「5党合意」が成立しますが、八王子での共同はそれに先んずるものでした。
 結果は約5万票対9万票で落選しましたが、わずか1ヵ月前の立候補で選挙運動は実質3週間ほどでしたから、ある意味では当然だったと言えるでしょう。それでも、野党共闘の先陣を切る形となった点で大きな意義のある挑戦であり、市民と野党の共闘の実現と前進のために一定の役割を果たせたのではないかと自負しています。
 私が立候補した時点では全国的な野党共闘がどうなるかは誰にも見通せない状況でしたが、その後の展開は目覚ましいもので大きな成果を生みました。2月の「5党合意」に基づいて参院選1人区で統一候補が擁立され11人が当選し、その後の新潟県知事選では民進党が「自主投票」だったにもかかわらず、野党統一候補の米山さんが当選しています。

 私は1993年5月に刊行された拙著『概説 現代政治―その動態と理論』(法律文化社)の「あとがき」で、次のように書いたことがあります。
 「いま求められているのは、『反共』でも『反党分子の排除』でもなく、『大左翼』の結集によって『左翼的空間』を拡大し、保守政治に対抗し得る新しい政治勢力を作り出すことであろう。
 この新しい政治勢力は、保守政治に対抗できるだけの量、力を持たなければならないが、同時に保守政治を根本的に転換できるだけの新しい質、政策、展望を持たなければならない。そのためには、保守政治と手を組むことを潔しとしないすべての勢力が協力・共同する必要があろう。腐れきった保守政治のあり方に疑問を感じ、二一世紀に向けて日本の進路を変えなければならないと考えているすべての個人や団体が合流できるようにする必要もあろう。日本共産党の力と政策をその構成部分とする『大左翼』の結集と、多様な人の参加する『左翼的空間』の拡大なしに、このような転換が果たして可能だろうか。」

 こう書いてから23年もの時間が経過しましたが、それは無駄に過ぎ去ったわけではありません。今ようやく、この「日本共産党の力と政策をその構成部分とする『大左翼』の結集」が実現しつつあるのですから。
 私の法政大学大学院での修士論文の表題は「コミンテルン初期における統一戦線政策の形成―特にドイツ共産党との関係を中心に」というもので、その後、法政大学社会学部の紀要『社会労働研究』第24巻第1・2号(1978年2月)に掲載され、私にとっては活字で発表された初めての論文となっています。その時から、統一戦線の形成は学問的な研究課題であり続けてきました。
 そしてそれは、今では全力で取り組むべき実践的な課題となっています。研究者としてのスタートを切ってから約40年後にして、その実現に向けて取り組むべき時代の課題となったことは嬉しいかぎりです。

 統一戦線の形成は私にとって「見果てぬ夢」でした。その夢の実現に向けての動きが、戦争法案反対運動という社会運動の大波の中から忽然と姿を現し、私自身にとっても実践の課題となりました。
 今はまだ芽吹いたばかりですが、大切に育てて、やがて花開いて大きな実を実らせて欲しいと願っています。そのために市民と野党の共闘の発展に力を尽くし、やがては統一戦線の結成を実現して新しい民主的な政府を樹立したいものです。

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