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4月4日(水) またもや出てきた無いはずのイラク日報 [内閣]

 驚きました。またもや無いはずだった自衛隊の日報が出て来ました。「またもや」というのは、南スーダンの日報隠蔽問題と同じだからです。
 この日報について防衛省は、これまで保存されていないとしてきましたが、小野寺防衛相は陸上幕僚監部で見つかったと公表し、これまでの対応を陳謝しました。「不存在」とは「不遜罪」のことだったというわけです。
 見つかった日報は2004年から06年にかけて、イラクに派遣された陸上自衛隊の現地部隊が報告したもので、延べ376日分、およそ1万4000ページにも及んでいます。これだけ大量の文書が見つからなったというのも不自然ですし、その中に何が書かれていたのかというのも注目されるところです。

 南スーダンPKOの日報問題でも、無いと言っていた陸上自衛隊のイラク派遣時の活動報告(日報)が「発見」されました。今回も突然の発見で、しかもそれは南スーダンと同じ部署が保管しており、さらに1月に見つかったのに小野寺防衛相にすぐには報告されず、2カ月以上も隠蔽されていました。
 公文書管理のあり方としては、これまで政府の対応が問われてきた事案と同様の問題があります。同時に、これは陸上自衛隊で生じた問題ですから、シビリアンコントロール(文民統制)が機能しているのかというさらに大きな問題もあります。
 自衛隊は知られて欲しくない文書を隠し、そのことを防衛省が全く把握できていなかったのではないのでしょうか。現場が独走して戦争へと突き進んで行った戦前の過ちや終戦に当たって公文書を焼き尽くしてしまった間違いが繰り返されているということなのでしょうか。
 
 この日報の隠ぺいと発見は、この間の安倍政権による情報の隠蔽や改ざんという一連の事案と共通の背景を持っています。安倍「一強」の毒が行政の隅々にまで回り、国民主権と民主主義が破壊されているという深刻な事態が生じていると言わなければなりません。
 知られたくない不都合な情報を廃棄し、隠蔽し、改ざんする。逃れられなくなると渋々存在を確認し公表するというやり方が繰り返されてきました。すでに指摘したように南スーダンの日報隠蔽や加計学園での「総理のご意向」と書かれた文科省内の内部文書についても共通しています。
 当初「怪文書」などと言われて、最初の調査ではこの文書の「存在は確認できない」とされていました。しかし、省内の再調査ですべての文書が「発見」されたのは記憶に新しいところです。

 公文書の改ざんも相次いでいます。実は、小野寺防衛相はもうひとつ「重要」な内容に触れていました。
 それは共産党の穀田恵二国対委員長が衆院外務委で指摘した「日米の『動的防衛協力』について」と題する内部文書をめぐる改ざん疑惑です。小野寺防衛相は同じ表題の文書が「内容が一部異なり、用途も異なると思われる同名の文書が2件新たに確認された」と明らかにしました。
 今回、突然日報が発見されたと公表したのは、この件での改ざん疑惑を打ち消すためだったのではないかとの見方もあります。日米防衛協力課は情報公開請求を受けて防衛省が昨年9月までに開示した同じ表題の文書について、請求後に文書を更新した形跡があると明らかにしましたが、何故そのような改ざんが行われたのかも明らかにされなければなりません。

 安倍政権のもとで、防衛省、文科省、内閣府、厚生労働省、財務省と、相次いで公文書や内聞文書の隠蔽や改ざんが明らかになりました。それについて、政府は各省庁に責任転嫁しようとしています。
 しかし、政府の知らないところでこのような隠ぺいや改ざんが行われていたとしたら、それも大きな問題です。自衛隊という実力組織や官僚が勝手に暴走していたということになるのですから。
 安倍「一強」の下での忖度が隅々にまで働いていたということなのではないでしょうか。政権の顔色をうかがって政治や行政が歪められ、立憲主義、民主主義、議会政治の土台が掘り崩されてきたのです。

 全ての問題の中心に安倍首相が位置しているということです。「臭い匂い」は元から断たなければなりません。
 安倍政権打倒の必要性はますます高まっています。国民主権と議会制民主主義の回復のためには、この政権を倒すしかありません。


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