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4月28日(土) 歴史的な南北会談のカヤの外でただ見守るしかない安倍政権 [国際]

 歴史が大きく動く瞬間を目撃したような気がしました。新たに開かれた扉が、朝鮮半島の平和に結びつくことを祈りたいと思います。
 その可能性を世界中の人々に確信させるに足る南北首脳会談でした。この動きが米朝首脳会談の成功へと引き継がれることを期待したいものです。

 昨日、南北の軍事境界線をまたぐ板門店で、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は11年ぶりの首脳会談を行い、朝鮮半島の「完全な非核化」実現を目標に掲げた「朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言」に署名しました。1953年7月から休戦状態にある朝鮮戦争を年内に終わらせる意思も確認し、文大統領が今年の秋に平壌を訪問することでも合意しました。
 南北首脳による会談は3回目で、北朝鮮の指導者が韓国側に入ったのは史上初めてになります。会談は板門店の韓国側の施設「平和の家」などで行われ、宣言に署名した後、両首脳は共同発表しましたが、金委員長にとっては西側メディアの前で初めての記者発表になりました。
 会談では朝鮮半島の非核化、恒久的な平和の定着、南北関係の進展が主な議題になり、最大の焦点である非核化について、宣言は「南北は完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」と明記しました。ただ「完全な非核化」の具体策やその手法、期間は記されず、金委員長は非核化や対米関係などに一切言及しませんでした。

 この会談と共同宣言については様々な評価が可能ですし、それがどこまで実効性があるのか、北朝鮮が誠実に順守するのか、疑問視する意見も根強くあります。しかし、これまでの敵対関係から抜け出す第一歩として歓迎し、朝鮮半島の平和と非核化、南北の統一に向けて前進する出発点になってもらいたいと思います。
 この首脳会談と宣言の合意によって、少なくとも第2次朝鮮戦争の危機が遠のいたことは明らかです。南北間の対話と交渉が続く限り、軍事的なオプションが選択肢に上ることはないでしょう。
 朝鮮半島の非核化や南北間の交流、統一に向けての動きが始まることも確実です。朝鮮戦争の終結によって平和構築に向けての新たな可能性も生まれてきています。

 このような歴史的な南北会談の開催と成功に関して、日本政府は「対話ではなく圧力を」と特異な主張を繰り返すだけで、背極的な役割を果たすことができなかったのはまことに残念です。日本政府は文大統領に拉致問題を取り上げるように頼んだだけで、指をくわえて事態の推移を見ているだけでした。
 戦前、朝鮮半島を植民地支配していた日本としては、南北の分断に対しても責任があり第3者というわけではありません。南北間の和解を仲介し、統一に向けての動きを支援する歴史的な責任があるのではないでしょうか。
 しかも、憲法9条には戦争や武力の行使だけでなく武力による威嚇も、国際紛争を解決する手段としては放棄すると書かれていますから、安倍首相は戦争や武力による威嚇に反対し、対話や交渉によって南北間の対立や紛争を解決するべき立場にありました。しかし、北朝鮮危機に際して、安倍首相はこのような立場に立つことができず、今回の南北対話に際しても第3者的立場をとり続けています。

 一部の報道では、北朝鮮との日朝首脳会談の可能性を打診した安倍政権に対し、北朝鮮当局が「一切取り合うな」との指示を出していたとされています。南北首脳会談と米朝首脳会談など、国際的対話の枠外に置かれる安倍政権は当面、北との対話の契機をつかめないまま孤立を深めることになるという見方がもっぱらです。
 平昌冬季五輪の開会式に出席した安倍首相は、北朝鮮代表団の金永南最高人民会議常任委員長との立ち話で「平壌宣言と(拉致被害者らの再調査を約束した)日朝ストックホルム合意に立ち戻ろう」と呼びかけました。これに対して金議長は「謝罪と賠償が先」と取り合わなかったといいます。
 拉致問題についても、安倍首相は日米首脳会談や文大統領との電話会談で拉致問題を取り上げるよう要請し、いずれも快諾を得たとされています。しかし、今回の南北会談で話題になった形跡はなく、合意された宣言にも記載されていません。

 南北関係の改善と緊張緩和の促進によって、安倍首相は北朝鮮の核やミサイル発射を口実に危機を煽ることができなくなりました。このような事態の急変を、心の中でどう思っているのでしょうか。
 日本周辺の安全保障環境は急速に改善されようとしています。安倍首相によって推進されてきた軍事力増強政策の根拠は、今や音を立てて崩れ去ろうとしていると言うべきでしょう。

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4月24日(火) 問題噴出で末期症状を呈してきた安倍政権 [スキャンダル]

 出てくるわ出てくるわ。次々に新たな問題が発生してきています。
 もう、安倍政権は末期症状にあると言うべきでしょう。「日替わりランチ」ならぬ「日替わりピンチ」の連続です。

 今日の新聞には、財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑をめぐる自民党議員の「不適切発言」が報じられています。下村博文元文部科学相の発言や長尾敬衆院議員のツイッターへの書き込みが批判され、謝罪して撤回する事態が相次ぎました。
 下村さんの発言は22日の講演でなされたもので、23日付の共産党の機関紙「しんぶん赤旗」によって報道されていました。ここで下村さんは、「たしかに福田事務次官がとんでもない発言をしてるかもしれないけども、そんなの隠しテープで録っておいて、そしてテレビ局の人がですね、週刊誌に売るっていうこと自体が、はめられてますよね。ある意味で犯罪だと思う」と語っています。
 20日には長尾衆院議員が、セクハラ問題について黒い服を着て抗議した野党の女性議員に対して「セクハラと縁遠い方々」と嘲笑する文章を投稿してネットで炎上し、長尾さんは22日に謝罪して投稿内容も削除されました。しかし、被害者を犯罪者呼ばわりして加害者の側を弁護し、それを支援する人々をあざ笑う発言は、セクハラ問題の本質を理解できず人権感覚のかけらもない自民党議員の本音でしょう。

 また、連日のように「発見」が相次いでいる自衛隊の日報隠蔽問題でも、新たな報道がありました。カンボジアPKO以降の21の海外派遣活動の定時報告とみられる文書延べ約4万3000件が集まり、陸上自衛隊イラク派遣時の日報も新たに34日分が見つかたというのです。
 それでも、まだあるはずの日報の半分くらいにすぎません。緊張が高まった時期の日報の大部分は、いまだに「発見」されていないのです。
 依然として日報が隠されているのではないかという疑いは残っています。隠され続けてきた「戦場の真実」を明らかにするためにも、調査を続ける必要があります。

 さらに、森友学園への国有地売却をめぐる公文書書き換え問題でも新たな進展がありました。大阪地検特捜部が財務省理財局長だった佐川前国税庁長官に対して任意での聴取を行ったというのです。
 佐川さんは周辺に改ざんへの関与を認めていると報じられています。改ざんの経緯や目的、誰の指示だったのかなど、詳細については明らかにされていません。
 最大の焦点は、なぜ改ざんしたのかという点にあります。これが捜査で明らかにされなければ、国民のモヤモヤ感は解消されないでしょう。

 政府は今日の閣議で、セクハラ疑惑が報じられた財務省の福田淳一事務次官について辞任を承認しました。しかし、退職金の支払いは保留し、調査結果次第で減額も検討するとしています。
 セクハラの事実を認めず、早々に辞任して退職金を手にとんずらしようとした福田さんの思惑通りにはいかないようです。国民を甘く見てもらっては困ります。
 野党6党は麻生副総理兼財務相の辞任を要求して国会審議を拒否し、正常化の見通しは立たず安倍首相は改めて厳しい政権運営を強いられています。自身は否定していますが、麻生財務相の責任は免れず、辞任も秒読みに入ったということでしょうか。

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4月20日(金) セクハラの福田財務次官は辞任ではななく懲戒免職にされるべきだ [スキャンダル]

 財務省の福田淳一事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられてから1週間が経ちました。これまで潔白を主張してきた福田さんは辞任の意向を明らかにし、テレビ朝日が記者会見してセクハラを受けたのは自社の女性社員だったと公表しました。

 しかし、福田さん自身はセクハラの事実を認めていません。辞任したのは「仕事にならないから」というもので、この事実を報道したことや取材が殺到したことの方が悪いかのような言い分です。
 「盗人猛々しい」というしかありません。この往生際の悪さも、セクハラに対する認識の低さや無責任さを端的に示すものではないでしょうか。
 セクハラを繰り返してきた福田さんは辞任ではなく、懲戒免職とするべきです。福田さんはセクハラの事実を認め、被害者に謝罪するべきでしょう。

 失敗しただけでなく、その後の収集に失敗するのを大失敗と言います。森友学園疑惑とそれに関連した公文書の改ざんに引き続いて、財務省は大失敗しつつあるように見えます。
 特に。このセクハラ問題では驚くことの連続でした。公開された音声での発言内容の下劣さ、被害者に名乗り出るように迫った財務省の非常識な対応、この期に及んでまだ否認し言い逃れようとする往生際の悪さ、かたくなにセクハラを認めない反省のなさ、そして渦中にありながら野党の反対を押し切って訪米してしまった麻生副総理兼財務相の無責任さ。
 政治・行政の腐敗・堕落はここに極まれり、と言うべきでしょう。この惨状に対する責任は、麻生さんの辞任だけでは済まず、当然、安倍首相も責任をとるべきです。

 それにしても、これほど官僚の劣化が表面化したことがあったでしょうか。森友学園疑惑では佐川さんに太田さん、加計学園疑惑では柳瀬さんに藤原さんが、嘘とデタラメで言い逃れようとしています。
 財務官僚トップの福田さんもセクハラではないと事実を偽っています。そのうえ、今度は路上でジョギングをしていた野党の参院議員に対して現職幹部自衛官が「国民の敵だ」と罵倒し、大きな問題になりました。
 まるで地獄の釜の蓋が開いたような問題の噴出ですが、官僚組織を地獄の釜にぶち込んでしまったのは安倍首相でした。安倍暴走政治の5年間で、政治も行政も大きく歪み、その土台に亀裂が生じてしまったのです。

 歪んで亀裂が生まれた土台の上には建物を建てることができません。政治の基礎を立て直して信頼を回復しなければ、政策論議や法案の審議は不可能です。
 国会の停滞を打開するためにも安倍首相の責任が明らかにされ、信頼を回復する必要があります。安倍政権の打倒こそが、その出発点にほかなりません。

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4月17日(火) 今こそ「水に落ちた安倍は打て」―安倍政権打倒に向けての追撃戦が再開された [論攷]

〔以下の論攷は、日本科学者会議『東京支部つうしん』No.606、2018年4月10日付、に掲載されたものです。〕

 「こんなはずじゃなかった」と、安倍首相は思っているはずです。昨年の夏、支持率が急落して都議選で歴史的な大敗北に陥った危機を、突然の解散・総選挙と野党勢力の分断で乗り切ってきたのですから。今度こそ、改憲実現の時と意気込んで臨んだ通常国会でした。それが、これほど追い込まれてしまうとは夢にも思わなかったにちがいありません。
 通常国会開会の日、安倍首相は自民党両院議員総会で「我が党は結党以来、憲法改正を党是として掲げ、長い間議論を重ねてきた」と述べ、「いよいよ実現する時を迎えている。責任を果たしていこう」とハッパをかけました。「一強体制」を背景に、朝鮮半島危機を利用しながら改憲を実現しようと目論んでいたのです。
 しかし、その後の内外情勢の急変によって、この思惑は音を立ててくずれつつあります。南北会談や米朝会談が決まって北朝鮮と中国との首脳会談が行われるなど、朝鮮半島情勢は緊張緩和と非核化、和解と協力の方向にかじを切ろうとしています。
 この間、安倍政権は蚊帳の外に置かれたばかりか、頼りにしていたトランプ米大統領によって鉄鋼・アルミの輸入制限措置を課され、「彼らはいつもほほ笑みを浮かべている。その微笑の裏には、“こんなに長いこと、米国を利用できたことが信じられない”との思いがあるだろう。しかし、そのような時代はもう終わりだ」と名指しで批判される始末です。蜜月は幕を閉じ、外交的な孤立が深まりました。
 内政でも、「働き方改革国会」と意気込んで臨んだものの裁量労働に関する調査データの不備が判明し、謝罪して関連部分を削除せざるを得なくなっています。関連法案の国会への提出は4月にずれ込みました。
 昨年から大きな問題になってきた森友学園への国有地の格安売却についても、決裁文書の改ざんが発覚しました。健全な民主主義の基礎となり、国民の知る権利を保障するべき公文書が改ざんされ、それに基づいて1年以上も国会での審議が行われてきたという前代未聞の事態が生じていたのです。
 森友学園事件は、籠池前理事長の国粋主義的な教育理念に共鳴した「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の関与と忖度によって小学校用地の取得に便宜が図られ、それを隠蔽するために公文書が改ざんされたということではないでしょうか。
 安倍「一強体制」による「毒」が官僚機構にも及び、政治と行政の私物化によって国政が歪められたということにほかなりません。戦後最低で最悪、異常で劣悪な政権によって、国政の土台がぶっ壊されてしまいました。これを立て直して立憲主義と民主主義を回復し、憲法を守り憲法に基づく政治を再生しなければなりません。
 そのためには、安倍政権を打倒することが必要です。昨年の夏、「水に落ちた安倍は打て」と書いて、私は政治危機に陥った安倍政権への追撃を呼びかけました。いま再び、政治危機に陥った安倍政権への追撃を、次のように呼びかけたいと思います。
 今こそ「水に落ちた安倍は打て」と。

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4月16日(月) 第33回ノーウォー八王子アクションでのスピーチ [挨拶]

 昨日、JRの八王子駅北口で、33回目になるノーウォー八王子アクションが実施されました。そこでスピーチを頼まれ、以下のような話をさせていただきました。
 参考のために、アップさせていただきます。

 昨日、国会前ではのべ5万人もの人々によって、安倍政権の総辞職を求める大抗議行動が実施されました。もはや末期症状を呈しているというのが、現在の安倍政権です。
 政治がよって立つ土台が崩れています。こんな政権、存続するのはどだい無理な話ではないでしょうか。
 政治を立て直すためには、安倍政権を打倒するしかありません。最近、『打倒 安倍政権』(学習の友社)という本を出しましたので、詳しくはそちらをご覧になっていただきたいと思います。

 さて、連日、マスコミで報道されている加計学園疑惑です。これについて首相官邸での会見記録が発見されました。
 昨年のうちに、和泉補佐官が「総理が言えないから私が言う」、内閣府の藤原さんが「官邸の最高レベルが言っている」、萩生田官房副長官は「総理は30年4月開設とお尻を切っている」と言っていたことが明らかになっています。そして今度は、柳瀬首相秘書官が「首相案件」だと発言したことが明らかになったわけです。
 もう、逃れられません。加計学園の問題は安倍首相と加計孝太郎さんの「悪だくみ」で、「首相案件」だったことは明らかです。

 他方、森友学園疑惑は「昭恵事案」です。籠池さんの国粋主義的な教育理念に賛同した昭恵さんが小学校用地の取得に肩入れし、8憶2000万円も値引きして1憶3000万円で販売しました。理由はゴミですが、それは100分の1しかありませんでした。
 モノの売買がなされるとき、普通は買う方がもっと負けてくれと言いますが、森友学園の土地取得の場合、売る方がもっと安くしようと言っていました。あべこべではありませんか。全く異常です。
 森友の背後に昭恵さんがいるということで官僚が忖度し、「全自動忖度機」が作動して大幅にディスカウントされたのです。スイッチを入れたのは昭恵さんでアッキーだ。だからこれは「アッキード事件」。
 どちらも、「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」による政治の私物化です。国家犯罪だと言わなければなりません。

 裁量労働制でのデータねつ造も明らかになりました。森友決裁文書でも改ざんとねつ造が行われています。
 こうなってくると、安倍さんは名前を変えるべきではないでしょうか。「安倍晋三」じゃなくて「安倍ねつ造」と。
 南スーダンPKOやイラク派遣での日報隠蔽もありました。文民統制が効いていません。「戦争できる国」を作るため、専守防衛を転換するために「戦場の真実」を隠したのではないでしょうか
 加計学園疑惑、森友学園疑惑、働き方改革でのデータねつ造、自衛隊日報隠蔽と続いています。スリーアウトどころかフォーアウトです。とっくにチェンジしていなければなりません。

 まだあります。自民党議員と文科省による名古屋市の八王子中学校での前川さんの授業への圧力、放送法4条の廃止によるテレビへの介入の動き、おまけに渦中にある財務省のトップ、福田財務事務次官のセクハラ・スキャンダルまで明らかになりました。
 もうたくさんです。安倍首相はウミを出し切れと言っていますから、ウミがあることを認めているんです。
 しかし、安倍さん、ウミはあなただ。とっとと首相官邸から出ていきなさい。

 出ないなら追い出すしかありません。市民と野党の共闘の力で安倍内閣を打倒し、安倍首相を官邸から追い出しましょう。
 そして、一緒にこう言おうではありませんか。「安倍よアバヨ」と。

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4月12日(木) 決定的な証拠が見つかり安倍首相が追い詰められてしまった「首相案件」としての加計学園疑惑 [スキャンダル]

 加計学園疑惑についても、決定的な証拠が出てきたと言って良いのではないでしょうか。昨年から野党の追及を受けてきた安倍首相ですが、とうとうビルの間の路地に逃げ込んで行きどまりの塀際に追い詰められてしまったようです。
 国家戦略特区での獣医学部の新設計画は最初から「加計学園ありき」だったということが明確になりました。というより、安倍首相の親友である加計考太郎氏が経営する岡山理科大に獣医学部を新設するために国家戦略特区という制度が利用され様々な便宜が図られたというのが真相であり、その意味でこれはまさに「首相案件」だったのです。

 愛媛県や今治市の職員が2015年4月2日に首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会したとする文書について、中村時広愛媛知事は4月10日に記者会見を行い、県職員が報告のための備忘録として作成したものだと認めました。この文書には県や今治市の職員、加計学園幹部が柳瀬首相秘書官(当時)のほか、内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(同)とも面会したと記録され、柳瀬氏が「本件は、首相案件」と述べ、藤原氏が「内容は総理官邸から聞いている」「国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」「かなりチャンスがあると思っていただいてよい」と発言したなどと記されています。
 すでに昨年にも「総理のご意向」や「官邸の最高レベル」という文言のある文書が確認されていました。これらの異なった性質の文書の全てが偽りでない限り、この問題に安倍首相や官邸が深くかかわっていたことは完全に裏付けられたと言えるでしょう。
 10日の中村愛媛県知事の記者会見では、もう一つの重要な事実が語られていました。問題の土地にはサッカースタジアムを作るプランだったのに、途中で内閣府から助言があって獣医学部の新設計画を国家戦略特区に申請することになったというのです。岡山理科大に獣医学部を新設する計画は内閣府から持ち込まれたということであり、初めから安倍首相が関わっていたということではないでしょうか。

 今治市での獣医学部新設は初めから「岡山理科大ありき」で進められていました。それを構造改革特区ではなく国家戦略特区に申請することや、その実現のための知恵や方策などが柳瀬首相秘書官や藤原内閣府次長から事細かにアドバイスされていたことが、今回本物だと確認された文書に示されています。
 この記述の真実性について「職員が文書をいじる必然性はまったくない。全面的に信頼している」と、中村知事は強調していました。その通りだとすれば、「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはない」などと文書で発表した柳瀬氏は、真っ赤な嘘をついていることになります。
 2015年4月2日に職員が官邸を訪れたことは今治市の出張記録にも残っており、今日の『東京新聞』ではその前月の3月に、官邸側から文科省に「愛媛県や今治市、加計学園の関係者が近く首相官邸を訪問する」と伝えていたことも報じられています。愛媛県や今治市のトップではなく「職員」が加計学園の関係者と共に首相官邸を訪れていたという異例の訪問は記録に残っており、「備忘録」はこの時の会見記録でした。

 昨日の衆院予算委員会での集中審議で、この文書と柳瀬元首相秘書官のどちらが嘘をついているのかが問われ、安倍首相は柳瀬氏を「信頼している」と強調していました。しかし、記憶に基づく証言よりも記録に基づく証拠の方が、信ぴょう性が高いということは常識です。
 それに、愛媛県の職員には嘘を記録する動機も必然性もありません。逆に、安倍首相の周辺にいた柳瀬氏や藤原氏などは安倍首相を守りたいという一心で嘘をつく動機も必然性も十分にあります。
 また、この文書の「加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった」との記述について、下村元文科相は心当たりがないと否定しています。しかし、下村氏は文科相時代の2013~14年にかけて政治資金集めパーティーの券を200万円分も加計学園に買ってもらった過去があり、利害関係者の1人ですから信用できません。

 森友学園事件では佐川宣寿元理財局長、加計学園事件では柳瀬唯夫首相秘書官、内閣府の藤原豊地方創生推進室次長、下村博文文科相(いずれも当時)がそろって嘘をついている疑いが濃厚です。
 嘘をついている疑いがあるのは、安倍首相も同様です。前述のように、この文書には「加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった」との記述がありますが、それが事実なら昨年の1月20日まで知らなかったという安倍首相の答弁が覆ることになるからです。
 これほどの嘘が国会内で、国政に関連して堂々と横行したことがあったでしょうか。しかも、それが嘘であることは、ほとんどの国民が知るところとなっています。

 加計学園事件も森友学園事件と同様、結局は「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」による「国家犯罪」だったということになります。その動機は、安倍首相の「腹心の友」による新学部設置のために、設置認可や用地取得の便宜を図ろうということにありました。
 親友のために力になりたいというのは美しい友情であり、一概に否定されるものではないと思います。しかし、それが国のトップリーダーによって権力を背景に国の制度を悪用して行政を歪めるようなものであってはなりません。
 本件はクリスマスイヴにワイングラス片手で相談された「男たちの悪だくみ」の一つだったのでしょうか。そのような形で政治・行政を私物化し国会と国民を欺いてきたというのであれば、許されざる背信であり、国政を担当する資格はなくただちにその座を去るべきでしょう。

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4月11日(水) 真相が明らかになり大団円が近づいてきたように見える「昭恵事案」としての森友学園疑惑 [スキャンダル]

 すべての疑惑は安倍夫妻に通ず。森友疑惑は「昭恵事案」であり、加計疑惑は「首相案件」であったことが明らかになり、そろそろ大団円に近づいてきたように見えます。
 「疑惑」とされていた事柄の輪郭が次第にはっきりしてきました。裏付ける証拠と証人がそろいつつあり、サスペンスドラマであれば、そろそろ関係者が断崖の上に集まって謎解きするころにさしかかっているように見えます。

 森友学園については、籠池氏の教育理念と教育勅語を園児に暗唱させるような国粋主義的な愛国教育の実践に安倍首相夫人の昭恵氏が共感し感銘したことが事の発端でした。昭恵氏から話を聞いた安倍首相も安倍教育改革のモデル校として利用できるかもしれないと考えたのでしょう。
 こうして、「婦唱夫随」で森友学園の小学校新設を応援することになり、100万円を寄付するとともに設立認可と土地取得、建設費用の融資に便宜を図ったというのが真相だったように思われます。森友学園の籠池泰典前理事長は教育理念や実践に共鳴し応援しようとする「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の好意を利用して大阪府や財務省、りそな銀行などに働きかけ、前例のない設立認可、8憶2000万円の値引きによる土地取得、21億円もの巨額融資を実現し、「瑞穂の国(安倍晋三)記念小学院」の設立にこぎつけます。
 とりわけ、低予算での土地取得は前例のないもので、政治家の秘書や昭恵氏の秘書役だった谷査恵子氏から問い合わせを受けた財務省の理財局や近畿財務局は頭を悩ませたものと思われます。そこで考え付いたのがゴミ処理を理由とした巨額のディスカウントだったのではないでしょうか。

 しかし、値引きの根拠とされたゴミは、実際にはそれほどありませんでした。窮した理財局は森友側の弁護士や近畿財務局に「口裏合わせ」を依頼し、嘘をつくように求めましたが断られています。
 追い込まれた官僚たちは、なぜこのケースだけ特別扱いされ、前例のない形で土地が値引きされて売却される必要があるのか、事細かに決裁文書に経緯を書いて承認を求めようとしたのでしょう。土地売却の経緯が異例なほど詳細に書かれていたのはそのためです。
 しかし、これが仇となりました。あろうことか、安倍首相が国会で啖呵を切ってしまったからです。「私や妻が関係していたら首相も議員も辞める」と。

 関係する官僚たちは慌てたでしょう。決裁文書には、「本件の特殊性」として「昭恵事案」であることが示され、それを理由として特別扱いすべきことが詳細に書かれていたからです。
 官邸からは秘書などを通じて問い合わせがあり、指示が出ていたかもしれません。「首相夫妻との関係をうかがわせる部分は全て削除せよ」と。
 2017年2月17日の安倍答弁の3日後の20日に「口裏合わせ」の電話があり、その2日後の22日に、官邸側の関与を全面的に否定している佐川宣寿前理財局長と太田充現局長(当時財務省大臣官房総括審議官)が菅義偉官房長官に官邸に呼ばれ、国有地売却の経緯などについて説明していたことが判明しています。当然、この場でも決裁文書の改ざんなどの善後策が相談されたものと思われます。

 こうして、森友学園への8憶2000万円の値引きと1億3000万円という破格の安値での国有地売却、その前例のない売却の経緯を書いた決裁文書の改ざんという前代未聞の「国家犯罪」が実行されたのです。その背後には安倍夫妻の存在があり、とりわけ安倍首相の「妻」で、森友学園が経営する塚本幼稚園で3回も講演し、ホームページに推薦文を書き、一時は新設予定の小学校の「名誉校長」まで引き受けていた昭恵氏の関りは極めて大きなものだったと思われます。
 昭恵氏の存在と働きかけがなければ、護池氏が「良い土地ですから進めてください」と昭恵氏が言ったなどと圧力をかけることも、建設予定地前で撮った写真を見せることも、「地鎮祭には来られる予定だ」などと脅すことも、できなかったはずです。実際に昭恵氏が背後にいなければ、籠池氏のこれらの言葉を官僚が信ずることも、そのために便宜を図ることも、慌てて公文書を改ざんするという官僚としてあってはならならない「犯罪」に手を染めることも、なかったはずです。
 「森友事件」はまさに「昭恵事案」で、籠池夫妻が詐欺容疑だとすれば昭恵氏は詐欺ほう助が疑われ、昭恵氏の存在と行動によって生じた「国家犯罪」だったのではないでしょうか。安倍首相夫妻が「関係」していたことは明らかであり、安倍首相は自らの言葉に従って首相も国会議員も辞任するべきです。

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4月10 日(水) 森友・日報隠蔽疑惑についての『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメントと若干の補足 [スキャンダル]

 〔以下の私のコメントは、4月10日付の『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。参考のために、アップさせていただきます。〕

 「安倍政権は見事なほど墓穴を掘っています。策士策に溺れる。ヘタな嘘をつき過ぎた。人間、一つ嘘がバレると、次々から次に嘘をつかなくてはならなくなる。説明に追われ、説明が矛盾し、行き詰まるのが通り相場です。国会は会期末の6月29日まで2カ月ある。安倍首相は、野党から一つ一つ追及されたら、合理的な説明をできないと思う。答弁に窮し、最後は、麻生財務大臣や加藤厚労相、小野寺防衛相に責任を取らせるしかなくなるのではないか。しかし、大臣に責任を取らせて延命しても、安倍首相への不信感は消えず、さらに支持率が下がり、追い込まれるだけです」

「さすがに、口を閉ざしていた官僚も、この国を憂えているのだと思う。役所の内部情報が次々に表に出るのは、官僚によるリークとしか考えられない。〝国政を私物化する安倍首相〟と〝心ある官僚〟のつばぜりいが起きているのでしょう」

 3月19日の参院予算委員会での和田政宗議員があびせたトンデモナイ質問に対して、太田理財局長は「いくら何でも」と3回繰り返して答弁しました。今の安倍政権の「国政私物化」は「いくら何でも、見過ごすわけにはいかない」と、一部のまともな官僚は考え始めたのではないでしょうか。
 この日の『日刊ゲンダイ』には、「森友事件に新展開」「特捜部の本丸は〝政界汚職〟か」「一部が消えた小学校建設の融資20億円」という記事も出ていました。そこには、こう書かれています。
 「当時は20億円融資の仲介者として、大臣経験者の子息A氏の名前も取りざたされた。かつてその都市銀行に勤務していたA氏が、森友の小学校建設が大きく動いたターニングポイントとなった日に、安倍首相と大阪で会食していたからだ。」

 この記事で「森友の小学校建設が大きく動いたターニングポイントとなった日」というのは2015年9月4日のことで、いわゆる「疑惑の三日間」の中間の日です。その前日である9月3日に安倍首相は迫田英明元財務省理財局長と岡本薫明財務省官房長を首相官邸に呼んで会談していました。
 翌日の4日、安保法制に関する審議が紛糾していた参院特別委員会を欠席して、安倍首相はわざわざ飛行機で大阪に行っています。大阪市中央区の読売テレビで「そこまで言って委員会」の収録に出演した後、「情報ライブ ミヤネ屋」に生出演し、鴻池議員に「一国の首相としてどういったものか」と批判されました。
 このテレビ局の近くの近畿財務局9階会議室では、近畿財務局の池田統括管理官、大阪航空局の高見調整係、森友学園の小学校建設工事を請け負ったキアラ設計所長、中道組所長による会議が開かれていました。安倍首相も秘かにこの会議に顔を出していたのではないか、そのためにわざわざ大阪まで出かけて行ったのではないかとの疑惑がもたれています。

 そして、この日の夕方、安倍首相は「大臣経験者の子息A氏」と会食しているのです。このA氏というのは故・冬柴鉄三元国土交通相の次男である冬柴大氏のことで、「会食」したのは冬柴氏が経営する大阪市北区の海鮮料理店「かき鐡」でした。この冬柴氏は元りそな銀行支店次長で、彼が勤務していた「都市銀行」というのはりそな銀行のことです。
 この時の会食には森友事件の影の司令部と目されている今井尚哉主席秘書官も同席していました。その後、森友学園に建設費として21億円もの巨額融資を行ったのが、りそな銀行だったというわけです。
 実はこの時、安倍昭恵さんも大阪に来ており、翌9月5日に森友学園が経営する塚本幼稚園で講演し、新たに建設する「瑞穂の国小学院」の名誉校長を引き受けています。これが2015年9月3日から5日にかけての「疑惑の3日間」でした。

 この3日間については以前から数々の疑惑が指摘されていましたが、今またりそな銀行による巨額の小学校建設資金への融資との関連で注目を集めることになったというわけです。この一連の経過が、21億円の融資とどうかかわっていたのか、そのお金の一部が政界に回ったのではないかという疑惑を大阪地検特捜部は持っており、そのための捜査を進めているというのが先に紹介した『日刊ゲンダイ』の記事の内容でした。
 果たして、この問題はどのような展開を見せるのでしょうか。今後の推移について、注目しておく必要がありそうです。

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4月8日(日) 新著『打倒 安倍政権―9条改憲阻止のために』の「はしがき」 [日常]

 はしがき

 安倍暴走政権に引導を渡すために、本書を書きました。この本によって、戦後最悪で最低の安倍政権にトドメを刺すことができれば望外の喜びです。その可能性と条件を探り、多くの皆さんに伝えることが本書の目的です。
 これまで私は、2016年に『対決 安倍政権―暴走阻止のために』を書き、2017年に『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』という本を出してきました。いずれも学習の友社からの刊行です。同社から出す本は、これで3冊目になります。
 こうして、私は学習の友社から3部作を刊行することになったわけですが、本書をもって最後の作品にしたいものです。もう良いでしょう。本書『打倒 安倍政権―9条改憲阻止のために』をもって、文字通り安倍政権を打倒し「有終の美」を飾りたいものです。
 2018年に入って森友学園疑惑が再燃しました。無かったはずの内部文書が提出され、価格交渉が行われ具体的な金額が提示されていたことが明らかになりました。安倍首相が「働き方改革」国会と意気込んで臨んだ通常国会では、裁量労働制をめぐって「ねつ造ではないか」と疑われるようなデータによって答弁され、安倍首相は謝罪する羽目に陥りました。
 さらに、森友学園への土地売却に関連して近畿財務局の決算文書が書き換えられていたのではないかとの疑惑が生じ、国会は大混乱に陥りました。「安倍一強」体制への飽きもあって潮目が変わり、長期政権に陰りが生じてきています。
 2017年10月の総選挙で「勝利」し、9条を中心とした改憲に向けて攻勢に出た安倍首相でしたが、次第に勝手が違う方向へと追い込まれつつあります。9月の自民党総裁選挙で3選を果たし秋の臨時国会での改憲発議を狙う安倍首相ですが、前途は混とんとしており極めて不透明になりました。
 安倍暴走政治と9条改憲をめぐって、最終的な決戦が近づいてきています。何としても、改憲発議を阻止しなければなりません。平和国家としての日本の岐路にさしかかってきています。戦後70年以上にわたって維持してきた平和で安全、自由で民主的な豊かな国を、そのまま子供たちや孫たち、後世の人々に手渡せるかどうかの瀬戸際です。
 本書は、2017年10月に実施された総選挙とその前に行われた東京都議選の結果を総括しつつ、これらの選挙からの生じた希望と展望の内容を明らかにするとともに、安倍暴走政治の到達点として安倍首相が狙っている9条改憲を阻止するために編まれました。
 本書が、5年間の長きにわたって国民を苦しめてきた安倍暴走政治をストップさせ、安倍首相が狙っている改憲の野望を打ち砕くだけでなく、市民と野党の共闘を前進させ、新たな国民のための連合政府の実現に向けた草の根での共同の発展のために、少しでも役立つことを願っています。
 
 2018年3月19日 安保法=戦争法成立から2年半後の日に

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4月6日(金) 新著『打倒 安倍政権―9条改憲阻止のために』が刊行された [日常]

 昨年から準備を進めてきた新著『打倒 安倍政権―9条改憲阻止のために』が、ようやく刊行されました。出版社は学習の友社で、定価は1400円(税別)です。
 これまで学習の友社からは、2016年に『対決 安倍政権―暴走阻止のために』、2017年に『活路は共闘にあり―社会運動の力と「勝利の方程式」』を出していただきました。本書は同社から出版する3冊目の拙著となります。
 いわゆる「安倍政権3部作」となったわけですが、これで打ち止めにしたいものです。そのためにも安倍首相を政権の座から引きずり降ろさなければなりません。
 
 なお、本書の入手をご希望の方は、学習の友社に申し込んで下さい。私に申し込んでいただければ、著者割引で8掛けになります。
 学習の友社の住所・電話番号などは、以下の通りです。
 〒113-0034 東京都文京区湯島2-4-4 TEL:03-5842-5641 FAX:03-5842-5645

 本書の刊行が予定よりも遅れたのは、今年に入ってから内外情勢が急転したからです。朝鮮半島での緊張緩和がすすみ、裁量労働制についてのデータねつ造や森友決裁文書の改ざんなどが発覚しました。
 安倍政権の行き詰まりと打倒の必要性が誰の目にも明確になったというわけです。それにともなって、原稿に手を入れる必要性が生じました。
 こうして、本書の刊行が新年度にずれ込むことになったわけです。しかし、かえってそのために安倍政権を打倒する必要性と可能性が明らかになり、本書の刊行がまことにタイムリーなものとなりました。

 戦後最低で最悪の安倍首相の「毒」は政権の隅々にまで浸透し、もはや立憲主義と民主主義は「根腐れ」を起こしています。国会審議の元になる公文書の隠ぺいや改ざんが相次いで議会制民主主義は「半身不随」になり、統治能力が失われて文民統制は機能しなくなってしまいました。
 日本の政治を立て直して正常化するためには、安倍政権を打倒するしかありません。それはもはや野党の役割であるだけでなく、広範な市民や与党も含めた国民的な課題となっています。
 この国民的な課題を達成するために、本書が少しでも役立つことを願っています。安倍政権に最後の一撃を加え、政権の座から引きずり下ろすための武器として本書を活用していただければ幸いです。

 安倍政権打倒を願う多くの人々に本書を手に取ていただければ幸いです。参考のために、本書の目次を以下に掲げておきましょう。

はしがき 
序章 安倍政権の5年間
第一部 2017年総選挙の結果と日本政治の課題
第1章 総選挙結果の分析と教訓
 はじめに
1 自民党は現状を維持した
 自民党は負けなかったが勝ったわけではない
 獲得議席数と絶対得票率にほとんど変化はなかった
 安倍首相がまいた「疑似餌」に一定の有権者が食いついた
2 「大義」なき解散は何を狙っていたのか
 解散の「大義」は安倍首相が取ってつけたもの
 「森友」「加計」学園疑惑から逃亡するための解散
 9条改憲に向けての基盤づくりをするためだった
3 公明党の敗北と連合の「また裂き」
 「全勝神話」が崩れ実質的に「敗北」した公明党
 民進党の分裂で「また割き状態」に陥った連合
4 改めて証明された小選挙区制の害悪
 野党は「オウンゴール」によって「自滅」した
 またもや明らかになった小選挙区制の問題点
 小選挙区制の問題点をどうやって克服するのか

第2章 市民と立憲野党の共闘の刷新と深化
 はじめに
1 野党共闘の分断によって生じた危機
 野党側の足並みが乱れ選挙共闘が分断された
 都議選の結果が大きく影響していた
 「小池劇場」は「排除の論理」で暗転した
2 野党共闘はどのようにして立て直されたのか
 立憲民主党の誕生と野党共闘の再確立
 市民と立憲野党の共闘をめぐる状況は一変した
 共闘は刷新されバージョンアップされた
 「立憲チームの勝利」に貢献した共産党
 「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ、共産党」
3 戦後日本政治の新しい局面が切り開かれた
 本格的な市民政治が台頭し共闘が新たな段階に達した
 市民と野党の共闘は弁証法的に発展してきた
 「右派ポピュリズム」が抑制され「左派ポピュリズム」が発生した
 運動のレベルでも市民と立憲野党との共同を追求するべきだ
 総選挙が終わっても国政の課題に変化はない
 むすび―歴史はジグザグに進む

第3章 安倍9条改憲をめぐる新たな攻防
 はじめに
1 憲法をめぐる激突は新たな段階を迎えた
 安倍首相のめざす9条改憲をめぐって激突が始まった
 「戦争できる国」に向けての総仕上げとしての9条改憲
 「戦争できる国」に向けてのシステム・ハード・ソフトの整備
 現行憲法にこれまで何らかの不都合があったのか
 「後法優位の原則」によって9条2項の空文化が生ずる
 憲法9条を活かす将来ビジョンこそが求められている
2 改憲問題をめぐってはどのような論点があるのか
 安倍9条改憲が狙っている本当の目的は何か
 今のままでは生ずるかもしれない9条の「不都合」とは
 安倍9条改憲は平和と安全を高めることになるのか
 政治が取り組むべき最優先の課題は改憲なのか
 経済の立て直しと景気回復こそ最優先で取り組むべき課題だ
3 憲法9条と安保条約とのせめぎあい
 戦争加担への「バリケード」としての9条の効用
 自衛隊の増強や防衛費の増大への「防壁」としての9条の効用
 国際テロ活動に対する「バリアー」としての9条の効用
 安全に対する脅威が拡大し国民の不安が増大している
 米軍と米軍基地によってもたらされてきたこれだけの被害
 防衛費は増加し続け生活を破壊している
4 安倍9条改憲を阻止するために
 一般的な「改憲」と安倍「壊憲」の区別が重要だ
 安倍9条改憲の前途に横たわる4つのハードル
 2018年秋の臨時国会が最大のヤマ場になるのでは?
 国民投票法の欠陥を是正することの方が先決だ
 私たちはどうするべきなのか
 むすび

第二部 安倍暴走政治と国民の怒り
第4章 政治・行政の劣化と都議選
 はじめに
1 都議選の結果をどう見るか
 自民党はかつてない歴史的な惨敗を喫した
 「都民ファーストの会」は大きく躍進した
 共産党など立憲野党はそれなりに健闘した
2 通常国会での暴走・逆走
 安倍首相は突然9条改憲の方針を打ち出した
 市民運動をあらかじめ取り締まるための「共謀罪」法の成立
 安倍政権のいかがわしさをはっきりと示した森友・加計学園疑惑
 余すところなく示された政治と行政の劣化、アベ政治の退廃と混迷
3 通常国会後に明らかになった疑惑や不祥事
 新たな展開を示した加計学園に関する疑惑
 森友・加計学園疑惑についてのその後の展開
 稲田防衛相による自衛隊の政治利用の暴言
 都議選中に相次いだ暴言と不祥事
 むすび―国民の怒りは再び

第5章 安保法制・外交・基地問題にみる安倍政権の軌跡
 はじめに
1 平和安全保障法制=戦争法の成立と施行
 集団的自衛権の行使容認は違憲の疑いがある
 安保法制定には手続き上の瑕疵があった
 アメリカとドイツの失敗から学ぶべき歴史の教訓
2 日本外交の大転換―対米従属と中国包囲網の形成
 歴代自民党政権以上の対米従属性の強まり
 中国包囲網を形成するための「価値観外交」の展開
 軍事的色彩を強める南シナ海沿岸国への支援
3 在日米軍基地・自衛隊基地をめぐる問題
 沖縄をはじめとした在日米軍基地の強化
 日米間の軍事的一体化と自衛隊による南西諸島の「要塞」化
 急速に進んできた国際社会における日本の地位の低下
 唯一の被爆国なのに核兵器禁止条約に参加しなかった日本
 むすび

インタビュー いま闘うことは、いちばん良い時代を生きてきた人間の責任
 自己都合による強行採決、テロとオリンピックを口実に運動抑圧の武器が欲しかった安倍自公政権
 マスコミに対しても、読者・視聴者は「主権者」としての力を発揮することが重要
 行政管理情報は国民の財産・知る権利を保障する基本的資産=際立ったずさんさと情報隠蔽
 政治を変えられるという期待感を高め、展望を説得力あるかたちで示していくことが重要
 権力を監視する、委縮せずどんどんモノを言う、悪法廃止に向け政権交代をめざす

あとがき

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