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10月13日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月11日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「「桂太郎超え」の悪夢 正比例する政権長期化と国の劣化」

 アベノミクスの失敗を認めない安倍は、1強の驕りで聞く耳も持たない。社会保障カットなどで弱者の切り捨ても加速。庶民のサイフがカツカツになるのは当然で、消費が冷え込む中、景気はヘタって悪化、その兆しは今春にはクッキリ出てきていた。

 それでも消費増税を断行。無理をした揚げ句が、5・7兆円の新たな税負担を国民に強要しながら、一方で、景気対策として公共事業などに2・3兆円を投入、そこに2800億円近いポイント還元費用も含まれるという世紀の愚策。安倍は「消費税(の増税分)をすべて還元する規模の対策を講じる」と胸を張ったが、それってまっとうな政策と言えるのか。一体、何のための増税か。訳が分からない。

 「それだけの規模の景気対策で手当てをしなければならないのは、経済が悪化するのが分かっているからで、だったら消費増税なんてやらなきゃよかったのです。

 スローガンを次々掲げて『やってるふり政治』を続けてきましたが、結局、アベノミクスではデフレ脱却すらできなかった。消費増税をしても景気が悪化すれば、増税の意味がなくなるだけでなく、経済成長どころかマイナスの影響を与える。国民騙しにも程があります」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 それでも、党内は公認権を握る安倍を恐れて表立って批判しない。大新聞テレビも牙を抜かれて大本営発表を垂れ流すだけ。言論が死んでしまっているから、史上空前の口先ペテン政権にもかかわらず、長期化するのである。前出の五十嵐仁氏が言う。

 「『山高きがゆえに貴からず』です。首相が長く在任したからといって、中身が伴っていなければ評価されません。長期政権の要因として『安倍1強』という状況をつくった“政治技術”が手腕とされるかもしれませんが、実体は、隠す、ごまかす、嘘をつく、という手練手管で国民を騙したに過ぎない。

 嘘つき政治がどんなに長く続いても、日本政治の汚点にしかなりません。国民騙しの政治に、問題の本質を十分に伝えないマスコミが手を貸し、内閣支持率を安定させた。マスコミの責任も重大です。さらに、マスコミが安倍政権にひれ伏したことで、有権者は政治を諦め、無関心となり、投票を棄権した。結果的に安倍政権を応援したことになります」

 確かに、安倍を5回もの国政選挙で勝たせたのは有権者だ。安倍政権の長期化は、国民が自滅の道を選んでいるということに他ならないのである。

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