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10月11日(金) 日米貿易交渉で「ウィンウィン」と嘘をついて国民を欺いた安倍首相 [国際]

 これからは、安くて危なっかしい食糧がどっと入ってくるにちがいありません。安倍首相が大量に買い入れると約束した米国産の牛肉には成長を早めるホルモン剤が投与され、トウモロコシは遺伝子組み換えによって増産されたものだといいます。
 安いから日本の消費者は喜ぶだろうと言われています。しかし、こんなものが消費者のためになるのでしょうか。
 
 日米貿易交渉が妥結し、テンガロンハットをかぶった牛肉生産者たちを前にトランプ大統領が「日米交渉はアメリカが勝利した!日本のまずい牛肉より遥かに美味いアメリカ牛肉をジャンジャン日本へ輸出してやろう!」と大ハシャギしていたとき、その横で安倍首相は満面の笑みを浮かべていました。どこの首相なのか、と言いたくなります。
 トランプ大統領は貿易協定に署名するときも、主要な農業団体の幹部を集めてこう成果をPRしました。「今日の協定で、日本は米国の食品や農業輸出品への市場アクセスを劇的に広げると約束した」と。
 安倍首相は「ウィンウィン」の結果だったと言いましたが、どこが「ウィン」なのでしょうか。またもや、国民に向けて大嘘をついたことになります。

 日米貿易協定は日本側が一方的に譲歩し、牛肉や豚肉などの畜産物の関税を大幅に引き下げる一方、米国の自動車と自動車部品の関税削減は先送りされました。米国寄りの決着で、譲るばかりの結果だったことは明らかです。
 この協定が日本の農業にどれほど影響するかという試算についても、未だに明らかにされていません。これで国会での審議が可能なのでしょうか。
 しかも、この協定について最終合意した日米共同声明では、日米自由貿易協定(FTA)の交渉開始でも合意しています。これまで、日米FTAの交渉は行わないとしていた約束も嘘だったことになります。

 日本政府は関税引き下げの水準がTPPの範囲に収まったことを成果のように語っています。しかし、TPP水準の関税引き下げであったとしても日本の農業への被害は甚大です。
 かつて、自民党でさえ選挙のポスターに「TPP断固反対」と書いていたではありませんか。その公約を投げ捨てて日本の食糧安全保障をアメリカに委ねようとしているのが安倍首相です。
 自動車関税についても「関税の上乗せ回避」を成果のように宣伝していますが、目標は「関税撤廃」だったはずです。米国が公表した英語の協定文に「撤廃」という文字が入りましたが、「今後のさらなる交渉次第」との表現にとどまっています。

 さらに、今回の協定では貿易額ベースで「米国が約92%、日本が約84%」の関税が撤廃され、世界貿易機関(WTO)の水準をおおむねクリアできていると日本政府は主張しています。これも嘘です。
 これには撤廃されるかどうか分らない乗用車と自動車部品が含まれているからです。自動車分野は対米輸出額の約35%を占めますから、これらを除くと関税撤廃率は6割前後まで落ちてしまいます。
 WTOのルールでは、加盟国に対して9割程度の関税撤廃率が求められています。今回の協定は、この水準に達していません。

 結局、安倍首相はトランプ大統領に押し切られてしまったのです。日本の農業や食の安全、消費者の健康や食糧安全保障を守るつもりがなかったのだということです。
 安倍首相は国民に嘘をついて、トランプのポチ(飼い犬)として行動し続けました。これではトランプのペットではないか、やはり「トラン(プ)ペット」だったのかと言いたくなります。

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