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3月5日(金) 拙著『18歳から考える日本の政治』第3版の目次 [日常]

 拙著『18歳から考える日本の政治』の第3版(本体2300円+税)が法律文化社から刊行されたことは、すでにお知らせしました。奥付は「2021年3月10日 第3版第1刷発行」となっていますが、すでに刊行されており、いつでも入手可能です。
 この第3版は、「第16章として『第2次安倍政権以降の政治と政党』を設け、第2版以降の政治過程と政党動向について補充」(第3版はしがき)しています。それ以外は、これまでの章の構成と変わっていません。
 本書はⅢ部構成で、全部で27の章から成っています。その内容を理解していただくために、以下に「目次」をアップさせていただきます。

目次

第3版はしがき
初版はしがき

第Ⅰ部 私たちと政治

1 政治って、見るもの? するもの? 闘うもの?
2 政治って、役に立つの? 政治の仕組みが分かると楽しくなる?
3 政治を動かす力は何?――正統性と権力の問題
4 誰が政治を動かしているの?――政治家と国民主権
5 よい政治とはどのような政治?――自由・民主主義と政治の理想
6 どうすれば政治は変わるの?――政治の変化と世論

第Ⅱ部 戦後政治から見える光と影

7 日本政治の底の底
8 戦前の政治と戦争――歪んだ日本の近代化
9 占領と民主化――戦後改革の意味するもの
10 敗戦の再出発――「青写真」としての日本国憲法
11 戦後政治モデルの形成――「55年体制」と60年安保
12 高度成長の時代――50年代後半~70年代前半
13 戦後保守政治の再編――70年代中葉~80年代
14 混迷の時代から新しい政治へ――90年代~現在
15 政党の系譜
16 第2次安倍政権以降の政治と政党

第Ⅲ部 政治の仕組み

17 民主主義って、必要なの?――政治のルールと仕組み
18 選挙に行って、政治が変わるの?――選挙と政治行動・政治参加
19 国家がなかったら、政治はどうなるの?――国家と政治
20 政策って、どのようにして法律になるの?――法律と予算
21 国会って、何をしているの?――代議制、議会の役割
22 官僚って、何をしているの?――官僚制、官僚機構の役割
23 政党って、信用できるの?――政党政治と政党の役割
24 市民や団体の役割は何?――圧力団体の活動と役割
25 地方から政治は変えられる?――地方自治体、地方政治
26 世界の中で日本はどのような役割を果たすの?――外交と安全保障
27 政治を担い、変えるのは私たち自身

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3月3日(水) 拙著『18歳から考える日本の政治』の第3版が法律文化社から刊行された [日常]

 拙著『18歳から考える日本の政治』の第3版(本体2300円+税)が法律文化社から刊行されました。恐らく、私にとってこれが最後の著書ということになるでしょう。
 私が研究者として取り組んできた「政治学と日本の政治」についての研究の集大成になります。このような形でまとめることができ、それが多くの方に活用されて「第3版」まで刊行されるに至ったことは、望外の喜びです。

 これまでの政治研究の集大成とは言っても、それほど難しいものではありません。タイトルに「18歳から考える」とあるように、選挙権を得た若者や初学者を対象に、政治学と日本の政治について基本的な内容を、これ一冊で理解できるように書いてあります。
 全体が27章に分かれているのは、ガイダンスとまとめを入れて年間30回の講義に対応できるようにしたからです。大学での教養課程における政治学の教科書として、毎回1章ずつ学ぶことができるはずです。
 大学生だけでなく、政治に関心を持ち、政治にかかわっているすべての方に活用していただきたいと思います。とりわけ、地方や国政の議員をめざしている方、議員の職務に就いている方にとっては手軽なガイドブックになるのではないでしょうか。

 もちろん、日本の政治をもっと良くしたい、マトモなものにしたいと考えている方にとっても手引きとなるように工夫してあります。ぜひ、一度手に取ってご覧いただいたいと思います。
 ということで、以下に「第3版はしがき」をアップさせていただきます。

「第3版はしがき」

 「主権者としての『知力』を養い、政治を見る目を鍛えることがますます必要になっています。政治と政治家を見極め、誤りのない道を選択し、日本の政治を前に進めるために、これからもこの本が役に立つことを願っています。」
 こう書いて本書の第2版を刊行してから4年の月日が経ちました。本書の初版は2010年に出されていますから、それから数えれば10年が経過したことになります。幸いにして、本書は版を重ね、このたび第3版を出すことになりました。これもひとえに本書を活用していただいた皆さんのおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。
 第3版では、全体にわたって可能な限り新しいデータに入れ替えました。また、新たに第16章として「第2次安倍政権以降の政治と政党」を設け、第2版以降の政治過程と政党動向について補充しました。これによって、戦前から今日にいたるまで、日本の政治と政党について概観できるようにしてあります。
 本書の第3版を準備している過程で、大きな出来事が相次ぎました。世界と日本で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、世界は未曽有の危機に見舞われました。アメリカではトランプ前大統領がバイデン大統領に交代し、日本でも安倍晋三前首相から菅義偉首相へと政権が変わっています。
 野党の側にも大きな動きがありました。立憲民主党と国民民主党が解党して新しい立憲民主党が誕生したのです。新自由主義に反対し、共産党との連携も視野に入れた大きな「受け皿」の誕生です。
 新たに発足した菅政権は日本学術会議の会員任命拒否事件を引き起こし、新型コロナウイルスの感染拡大による第3波に見舞われるなど、波乱含みの出発となりました。安倍前首相による「桜を見る会」前夜祭の費用補填や元農相への現金提供疑惑なども明るみに出ています。
 2021年夏に延期されたオリンピック・パラリンピックが予定通り開催できるのか、秋までには任期が切れる衆院議員の改選がいつになるのか、コロナ禍を収束させて経済の回復を図ることができるのか、菅新政権の前途には多くの難題が横たわっています。いずれにしても、政治の本分は国民の生命と生活を守ることであり、いかなる政権であってもこの本分を全うするために全力を尽くしていただきたいものです。
 本書の初版の「はしがき」に、私は次のように書きました。
 「生活が守られてこその社会です、健康であってこその人生です。人々の生命(いのち)と生活(くらし)を支えることこそ政治の要諦(ようてい)である――このことを再確認しなければならない時代が、この日本にもやってきたのではないでしょうか。」
 このことが本格的に問われ、希望の持てる「新しい政治」が求められているように思われます。主権者としての「知力」を養い、政治を見る目を鍛えて、新しい時代の扉を開くために、本書がいささかでも役立つことを願っています。

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3月2日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月2日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「止められなければ戦前と同じ 破れかぶれ政権の五輪暴走」

 橋本は先月26日に大手メディアのインタビューに対応。朝日新聞(27日付朝刊)によると、「開催することは決まっている」と言い切り、再延期については「IOC(国際オリンピック委員会)もIPC(国際パラリンピック委員会)も一切、言っていない。1年後に北京の冬季大会があり、冬の競技を追い越していくことにはならない」と否定。無観客開催案についても、「シナリオの中でどうかと考えたとき、他の大会がお客さんを入れてやっているので、オリパラだけなぜ入らないのか、と絶対アスリートは思う」などと否定した。「外国からの観光客が来る、医療の逼迫につながっていかないかなど、たくさんの懸念材料が払拭されない限り、支持率は上がっていかない。第一にやるのはコロナ対策だ」とも言いながら、猛進しているのである。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「リバウンドによる第4波が危ぶまれ、感染力の強い変異ウイルスの市中感染も広がっている。五輪を開催すれば海外から選手だけで1万人超、大会関係者や観客も含めれば相当数が来日するでしょう。それまでに全国民分のワクチン確保は到底無理。こうした状況では無謀としか言いようがありません。専門家の意見は聞かない、科学や学術を軽視する。反知性主義そのもので、五輪強行は菅政権の政治的思惑以外の何物でもない」

 菅が「感染拡大防止の決め手」とするワクチン接種は完全な計画倒れ。政府の新型コロナ基本的対処方針には「21年前半までに全国民に提供できる数量の確保を目指す」と明記されたままだが、政府の手際の悪さと「ワクチンナショナリズム」の過熱で朝令暮改だ。

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