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8月27日(月) 「お仲間」と「派閥領袖」のゴッタ煮内閣 [内閣]

 やっぱり、「密約」があったんですね。麻生さんを幹事長にするという約束が……。参院選投票日に密かに首相官邸を訪れ、安倍首相の続投を支持した見返りが幹事長職ですか。

 自民党役員と安倍改造内閣の人事が明らかになりました。自民党三役には、幹事長に麻生太郎外相(麻生派)、政調会長に石原伸晃幹事長代理(無派閥)、総務会長に二階俊博国会対策委員長(二階派)が起用されています。
 このほか、幹事長代理には細田博之経理局長(町村派)、国対委員長には大島理森元農林水産相(高村派)、選対総局長には菅義偉総務相(古賀派)、衆院議院運営委員長には笹川尭党紀委員長(津島派)が就任しました。
 いずれも、安倍さんに近い人ばかりです。自民党の役員人事は、前回同様、「お仲間」をかき集めたというところでしょうか。

 午後から、安倍首相は官邸で内閣改造に着手し、官房長官に与謝野馨元政調会長(無派閥)、外相に町村信孝前外相(町村派)、財務相に額賀福志郎元政調会長(津島派)、厚生労働相に舛添要一参院政審会長(無派閥)、防衛相に高村正彦元外相(高村派)、総務省に増田寛也前岩手県知事などの入閣が固まりました。また、伊吹文明文部科学相と的場順三官房副長官、甘利明経産相、大田弘子経済財政担当相の留任なども決まりました。
 就任した17人の大臣のうち、新しくなった人が7人、留任が5人、再任が5人となっています。人身一新という割りには、新人が少ないと言えるでしょう。

 さし当たり、2点だけ指摘しておきます。第一に、自民党三役はいずれも党役員や大臣からの横滑りだったということです。
 幹事長の麻生さんは外相から、政調会長の石原さんは幹事長代理から、総務会長の二階山は国対委員長からの横滑りです。中でも注目されるのは石原さんです。
 幹事長の中川さんは、参院選敗北の責任を取って辞任しました。それなのに、幹事長代理だった石原さんは責任を取らないどころか、政調会長に“出世”しました。安倍さんとの友達関係が幸いしたというところでしょうか。

 第二に、派閥領袖の勢揃いです。自民党には、現在、9つの派閥がありますが、そのうちの5つの派閥の領袖が党役員と閣僚に就任しました。
 具体的には、麻生派の麻生会長が幹事長、二階派の二階会長が総務会長、町村派の町村会長が外相、高村派の高村会長が防衛相、伊吹派の伊吹会長が文科相という具合です。額賀財務相は津島派の会長ではありませんが、会長代理を努める幹部です。
 谷垣派が排除されていますので、派閥領袖の勢揃いとはなりませんでした。しかし、これだけ派閥の幹部をかき集めたのは異例だと言うべきでしょう。「昔の名前で出ている」人ばかりで、古い自民党の姿を彷彿とさせます。

 結局は、「お仲間」と「派閥領袖」のゴッタ煮内閣になってしまったというところでしょう。安倍さんは、党執行部を気心の知れた「お仲間」に任せ、内閣は「実力者」と呼ばれるベテランの力に頼ったわけです。
 ただでさえ、指導力に問題があると言われている安倍首相です。「船頭」ばかり周りに集めて、上手くいくのでしょうか。また、行き詰まることはないのでしょうか。