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8月29日 新内閣への「ご祝儀」は約1割の支持率上昇 [内閣]

 安倍改造内閣に対する世論調査の結果が、各紙で報道されています。それは、以下のようになっていました。
 内閣支持率の高い順に並べました。結果的に、安倍内閣に近い順になっているような気がします。

読売新聞:内閣支持率44.2%(12.5ポイント上昇)、不支持率36.1%(23.8ポイント減少)
日経新聞:内閣支持率41%(13ポイント上昇)、不支持率40%(23ポイント減少)
共同通信:内閣支持率40.5%(11.5ポイント上昇)、不支持率45.5%(13.5ポイント減少)
毎日新聞:内閣支持率33%(11ポイント上昇)、不支持率52%(13ポイント減少)
朝日新聞:内閣支持率33%(7ポイント上昇)、不支持率53%(7ポイント減少)

 安倍改造内閣への支持率は、33%から44.2%まで、約10ポイントの開きがあります。支持率では日経新聞と共同通信がほぼ41%、毎日新聞と朝日新聞が33%で同じになっています。また、読売と日経の調査では、不支持率が支持率を上回る“逆転”状態が解消されました。
 しかし、各紙の調査での支持率の上昇は7ポイントから13ポイントとなっており、それほど大きな差ではありません。内閣改造による支持率の上昇は約1割で、上下3ポイントほどの開きがあります。
 安倍改造内閣に対する「ご祝儀」は、約1割の支持率上昇だったということになるでしょう。これについて日経新聞は、「新体制での急回復が目立つといっても、あくまで『久間、赤城ショック』の前に戻ったにすぎない」と指摘しています。

 他方、不支持率の方は、36%から53%まで17ポイントもの大きな開きが生じています。減少幅も、7ポイントから24ポイントまで、17ポイントになりました。
 新聞社の調査や質問の仕方の違い、立場の違いなどが反映されているのかもしれません。とりわけ、読売新聞調査や日経新聞調査における不支持率の減少幅の大きさが注目されます。
 その読売新聞調査でも、内閣改造や自民党役員人事で、「安倍首相の政治手法がこれまでと変わった」という印象を持ったか否かでは、「持たなかった」が48%で、「持った」の39%を上回っています。また、日経新聞調査では、参院選後に首相が続投した判断については「反対」が49%で、「賛成」の40%を上回っています。「首相の政権運営に対する有権者の厳しい視線が変わったわけではな」いと、日経新聞が書いているとおりです。

 それでも支持率が約1割回復したのは、派閥の領袖を自民党の役員や閣僚として取り込んだ手法が功を奏したためでしょう。安心感を抱いた自民党の支持者が戻ってきたのかもしれません。
 派閥の「親分」を党や内閣の執行部に入れてしまえば、「子分」は文句を言えません。さし当たり執行部批判を回避する最善の策を取ったということになります。
 「政治とカネ」で問題を抱える伊吹文明文科相を留任させたのも、伊吹派の会長だからです。たとえ“時限爆弾”かもしれなくても、保身のためなら抱え込むのを厭わなかったということでしょう。

 改造内閣の人事では、安倍首相に批判を浴びせていた舛添要一厚生労働相と、「改革派」知事として知られた増田寛也総務相の起用が注目されました。ここにも、安倍首相の計算がうかがえます。
 地方や生活重視に切り替えたと見せかけて、実は「美しい国」づくり、「戦後レジーム」からの脱却路線を密かに押し進めようというわけです。安倍首相の「本音」はいささかも変わっていないのです。

 こうして、内閣を改造し、建前と本音を使い分けながら、「美しい国」づくり、「戦後レジーム」からの脱却という当初からの目標を追及しようというのが、安倍首相の目論見でしょう。いずれ、臨時国会での野党の追及によって、その化けの皮が剥がれるにちがいありません。