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11月6日(金) シンポジウム「児童労働の現状とNGOの政策提言」に向けてのあいさつ [挨拶]

 あいさつのアップが続いています。新しい文章を書いている余裕がないからです。
 苦し紛れに、以前に書いたものを再利用させていただいているというわけです。

 とはいっても、このような催しに参加できる人は限られていますので、これを読めば、その意義や内容、雰囲気などを感じていただけるかもしれません。
 ヒョッとしたら役に立つかもしれないという思いと、せっかく書いたものだから記録にとどめておきたいという気持ちがない交ぜになって、今回の連続アップとなりました。ご了解いただければ幸いです。
 今回は、6月28日に法政大学市ヶ谷キャンパスの外濠校舎で行われたシンポジウムに向けてのあいさつです。これは、児童労働ネットワーク(CL-Net)http://cl-net.org/との共催で開かれたもので、「児童労働反対世界デー・キャンペーン2009」の一環として取り組まれ、レガット・ヴェンカット・レディ氏(M.V.Foundation委員会国内議長)による「インドの児童労働の現状と活動紹介」、ヴェロニック・フェイジェン氏(2009年「ストップ・児童労働-学校が最良の解決策」キャンペーンの国際調整官)による「『ストップ・児童労働―学校が最良の解決策』キャンペーンとその結果、EUの視点から」という基調講演などが行われました。

シンポジウム「児童労働の現状とNGOの政策提言-インドとEUの経験に学ぶ」に向けてのあいさつ

 本日のシンポジウムを共催させていただきました法政大学大原社会問題研究所の五十嵐でございます。シンポジウムの開会に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
 本日のシンポジウムの会場であるこの外濠校舎は、市ヶ谷キャンパスで最も新しい校舎です。かつて、大原社会問題研究所も、この隣の80年館にありましたが、今では多摩キャンパスに移っております。
 大原社会問題研究所は1919年に設立され、今年、創立90周年を迎えました。法政大学と合併して附置研究所になったのは1949年ですから、それからでも60年経ちます。厳しい時代であった戦前から戦後にかけて、さらに今日に至るまで存在できましたことは、まさに奇跡であたっと言えるでしょう。
 研究所を設立しましたのは、「大原美術館」の設立者でもある大原孫三郎で、研究所の名称に「大原」とあるのは、そのためでございます。研究所は大原社研の名でも知られておりますが、その主たる研究分野は労働問題を中心とする社会問題でありまして、このような関係で、今回、児童労働の問題についてのシンポジウムを共催させていただくことになった次第です。
 本日のテーマは、児童労働問題の解決に向けてとり組むインドとヨーロッパの経験に学ぶことでありますが、この問題は日本に生きる我々とも無縁ではありません。多国籍企業によるグローバルな活動の最底辺に児童労働が組み込まれ、日常、私たちが使用する製品などが開発途上国の児童らによって生み出されているかもしれないからです。
 また、子供の貧困を象徴する例が児童労働であるということからすれば、その解決に向けての政策提言は、最近、我が国においても大きな問題となっています「子供の貧困」を解決する重要なヒントを得る機会となるにちがいありません。
 子供は「歩く未来」であります。その子供たちが希望をもって未来を語ることができるようになるために、本日のシンポジウムが大いに役立つことを願いまして、主催者としての挨拶に代えさせていただきます。