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11月3日(火) 国際労働シンポジウムへのあいさつ [挨拶]

 名古屋の金城学院大学で開かれた社会政策学会から、無事、戻ってきました。会場の金城学院大学は名古屋市の郊外にあるミッション系の女子大だということで、キャンパスは広く、建物は綺麗で、何となくゆったりとした清潔感が漂っているような雰囲気でした。

 学会からの帰りは、中央線を経由しながら、温泉に泊まって来ました。紅葉が始まっていて、赤いドウダンツツジ、白いススキの穂、真っ黄色の銀杏など、沿線の景色を堪能することができました。
 のんびりとした各駅停車の旅でした。心身共に、英気を養い、リフレッシュすることができたように思います。

 さて、このところ、各種の催しに対する私のあいさつをアップしています。ついでといっては何ですが、10月14日(水)に、UNハウス(国連大学)のエリザベスローズ・ホールで行われた第22回国際労働問題シンポジウムに対する私のあいさつも、ここにアップさせていただきます。
 何らかの参考になれば幸いです。

第22回国際労働問題シンポジウムへの挨拶

 ただ今、ご紹介いただきました大原社会問題研究所所長の五十嵐でございます。「第22回国際労働問題シンポジウム」の開会に当たりまして、ひと言、ご挨拶申し上げます。
 私ども大原社会問題研究所では、毎年、この時期に国際労働問題シンポジウムを開催してまいりました。早いもので、もう22回目を数えることになります。ということは、22年前からの恒例行事ということになります。
 最近では、ILO駐日事務所と共催で、交互に法政大学の市ヶ谷キャンパスとUNハウスを会場に開催しております。今年は、ここエリザベスローズ・ホールで開催することになりました。大変、立派な会場でありまして、シンポジウムの内容も、それに負けず劣らず、充実したものになることを願っております。
 さて、この国際労働問題シンポジウムは、毎年6月に開かれますILO総会の議題のなかから、日本との関係が深いもの、あるいは興味が持たれるものを選び出して、そのテーマとしてきました。
 今年は、ILO総会の特別議題(議題Ⅶ)である「経済金融危機の雇用・社会政策への影響」をテーマとして取り上げたわけでございますが、ILOがこのテーマを特別議題としましたのは、昨年9月のリーマン・ショックに始まる深刻な金融・経済危機が世界中の雇用・社会政策に大きな影響を与えたからです。その結果、失業、貧困、格差が増大し、企業破産も相次ぐなかで、景気の回復、仕事の創出、働く人々とその家族の保護と救済に向けての迅速な対応が求められるに至りました。
 わが国もまた例外ではなく、景気の低迷と雇用不安の拡大への対応が、鳩山新政権にとりましても大きな政策課題となっております。失業率は5%台後半で推移しており、これから年末年始にかけて、再び「派遣村」のような状況が生まれるのではないかとの懸念も生まれています。雇用問題への取り組みは急務だと言うべきでしょう。
 本日のシンポジウムでは、事務局長報告「世界的な仕事の危機に取り組む」と、特別議題の討議の結果採択された「グローバル・ジョブズ・パクト」(仕事に関する世界協定)について、政府、労働者、使用者側のパネリストおよび学識経験者によって報告・討論していただきます。また、この議題を担当されましたILO経済労働市場分析局長ダンカン・キャンベル氏による講演も予定しております。これらの報告と討論によって、「世界雇用危機にどう立ち向かうのか」との問いに対する何らかの回答が得られれば幸いです。
 なお、私ども大原社会問題研究所は、ILOと同様、今年2009年に創立90周年を迎えました。ILOと同い年ということでございます。
 来る10月27日(火)に、この創立90周年を記念いたしましてフォーラムを開催いたします。詳細につきましては、お手元の配布物の中にビラが入っておりますのでご覧いただきたいと思いますが、こちらにも、足を運んでいただければ幸いです。
 簡単ではございますが、最後までのご静聴・ご協力をお願いいたしまして、開会に当たっての挨拶とさせていただきます。