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4月30日(火) 改元と天皇代替わりのバカ騒ぎによって私たちは何を失おうとしているのか [天皇]

 今日4月30日で今の天皇が退位し、明日5月1日に新しい天皇が即位します。これにともなって「平成」は今日で終わり、明日からは新元号の「令和」が用いられることになります(ただし、私は使いません)。
 「新しい時代の到来」とされていますが、今日と明日の何が変わるのでしょうか。それに伴って、私たちの生活の何が変化するのでしょうか。

 4月1日の新元号「令和」の発表以来、「元号フィーバー」とも言うべき大騒ぎが続きました。最近では天皇と皇后の退位についての報道が目白押しで、NHKニュースは新しい情報を後回しにし「ニュース」番組ではなくなっています。
 今日のテレビは一日中、朝から晩まで退位についての特別番組が組まれており、明日からは新しい天皇と皇后についての報道があふれるにちがいありません。まるで公共の電波が天皇制によってハイジャックされてしまったようです。
 今日の『朝日新聞』まで退位に関連した特別の表紙を付けたりして、まったくウンザリしてしまいます。このような改元と天皇代替わりをめぐる大騒ぎによって、私たちは何を失おうとしているのでしょうか。

 まず第1に、国民と社会の冷静さが失われ「祝賀ムード」に踊らされてしまっています。その最たるものはマスメディアです。
 NHKテレビの特番の表題が「ゆく時代くる時代」とされているように、もう一つの「年末・年始」のような気分を高め「祝賀ムード」に便乗して視聴率を稼いだり売り上げを伸ばしたりしようとする商売根性が、その背景にあります。それが、安倍政権にうまく利用されているということでしょう。
 もともと5月1日に代替わりを設定したのは、この日を祝日にすれば10連休になるからで、それによって国民を喜ばせてお祝いムードを盛り上げようとしたからです。しかし、時事通信の世論調査で「嬉しくない」という意見が4割で「嬉しい」よりも多く、75%の人が「お金がないから自宅で過ごす」と答えているように、安倍首相の狙い通りにはなっていません。「10連休、行くところなし、金もなし」というのが庶民の現実です。

 第2に、象徴天皇制が憲法上の制約の下に置かれているという立憲主義的視点が忘れられていることです。天皇には憲法で規定された国事行為、象徴としてのあり方から生ずる公的行為、天皇個人の生活や祭祀に関する私的行為が区別されますが、このうちの公的行為の範囲が拡大されてきたことに注目する必要があります。
 今の天皇は癒しと励ましによって国民に受け入れられ、国民に寄り添う象徴としてのあり方を模索し、戦没者の慰霊や被災者のお見舞いの旅が評価されています。しかし、それによって憲法で規定された国事行為以外の天皇制の機能と役割が拡大され、象徴天皇制の浸透と定着が図られてきたことに注意しなければなりません。
 今回の新元号制定にあたって安倍首相が事前に新天皇となる皇太子に説明したことも、元号の制定を天皇から切り離した元号法の運用を誤った新天皇の政治利用であり、違憲の疑いがあります。代替わりに関連する行事についても、私的行為である宮中祭祀などの宗教的儀式との兼ね合いや公費の支出など、憲法の政教分離原則に反する疑いがないか厳しく検証されなければなりません。

 第3に、主権者は国民であるという自覚を失い民主主義が損なわれようとしていることです。新元号の発表と退位、新天皇の即位という一連の行事を通じて、日常の生活には何の変化もないのに、あたかも「新しい時代」が始まるかのように感じさせられ、まさに時間と時代が支配されるような状況が生まれました。
 「平成時代」を通じて、戦争犠牲者の慰霊、被災者の救済や癒し、憲法擁護に至るまで天皇に期待しお任せするという「お任せ民主主義」の天皇版が生じたと言えるでしょう。最近では、強まりつつある格差と分断、対立の天皇による緩和や是正、国民統合による民主主義の土台や基盤の維持を評価する「天皇制民主主義」の効用論まで登場しているようです。
 天皇の存在や行為をありがたく神聖であるかのように感じ、圧力もないのに自ら進んで同調し一体化してしまう心のあり方も、知らず知らずのうちに強まっているようです。これらの総体が、かつてあった「天皇制ファシズム」との共通基盤や類似性を生み出していることに注目せざるを得ません。

 このような「時代の空気」に惑わされたり取り込まれたりしないためには、どうすれば良いのでしょうか。まず、改元と代替わりに関わるメデイアのバカ騒ぎを冷静な目で見極め、安易に巻き込まれたりしないように自制することが必要です。
 次に、この騒ぎを利用して一儲けしようとする便乗商法に踊らされないように気を付けることです。まして、詐欺事件などに騙されないよう警戒しなければなりません。
 常に象徴天皇制に対する憲法上の制約を意識し、そこからの逸脱がないかを厳密に判断する批判的視点を忘れないようにすることも必要です。マスメディアも国民主権の視点から行事や報道を検証し、改元と代替わりへの批判論や同調しない人々にも目配りして異論の存在をきちんと報道してもらいたいものです。

 天皇をむやみにありがたがったりあがめたり、リベラル性を過大に評価して期待するような見方を改めなければなりません。主権者は国民であり、平和や民主主義は国民自身の力によって守るという自覚を高めることが、天皇制イデオロギーが復活しつつある今こそ必要なのではないでしょうか。

 なお、5月2日に秋田市で、3日には宇都宮市で講演します。その後、故郷の新潟に帰省しますので、連休明けまでブログをお休みします。
 それ以降も、以下のような講演の予定が入っています。関係者の方やお近くの方に足を運んでいただければ幸いです。

5月2日(木)午後1時半 秋田県児童会館けやきシアター:秋田憲法センター
5月3日(金)午後1時半 宇都宮市東図書館市民センターホール:栃木革新懇
5月8日(水)午後6時 日野生活市民センター:日野革新懇
5月11日(土)午後3時 和歌山市立勤労者総合センター:和歌山革新懇
5月17日(金)午後6時半 国分寺労政会館:三多摩革新懇
5月31日(金)午後2時 国分寺労政会館:三多摩高齢者運動連絡会


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4月28日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月27日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「派手な欧米歴訪にも懸念 安倍外交“破綻”青書の衝撃
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
 「安倍首相の外遊は参院選に向けた政治パフォーマンスが目的でしょう。これまで政権の支持率を支えてきたのは株価と外交。その株価がいよいよ低迷し始めたため、G20で外交手腕を大々的にアピールする必要があると考えている。そのために安倍首相は各国を回り、G20が失敗しないよう地ならししているが、外交は内政のように『隠す』『ごまかす』『ウソをつく』が通用しない。そろそろ国民もアベ外交の正体がフェイクだと気付き始めていると思います」


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4月26日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月25日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「トランプ国賓、蜜月演出 安倍政権の姑息な目論見は逆効果」
 「安倍首相が、トランプ大統領を“ノーベル平和賞”に推薦していたと発覚した時、多くの国民は『えっ!』と絶句したはずです。安倍首相は二言目には『かつてないほど日米関係は強固だ』と胸を張っているが、本当はゴマをすり、顔色をうかがい、揉み手をしているだけだと分かった。大半の日本人が情けないと感じたはずです。そもそも心ある国民は、『なぜ、トランプのような男と仲良くしているのか』と嫌悪しているはずです。ドイツのメルケル首相にしろ世界のリーダーは、トランプ大統領と距離を置き、親密なのは、フィリピンのドゥテルテ大統領ら問題児ばかりですからね。トランプ大統領が国賓として来日する時、一緒にゴルフを楽しみ、2人揃って大相撲を観戦するそうですが、国民から“どうしてへつらうのか”と思われ、逆効果になって不思議じゃありません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 「内閣支持率の数字には表れていませんが、安倍内閣への不信感は確実に広がっていると思う。安倍首相と麻生財務相の地元に道路をつくるために忖度したという話には呆れたはずです。しかも、本当は沖縄県民の立場に立って、トランプ大統領と対峙すべきなのに、沖縄県民を逆なでするように、“辺野古が唯一の解決策だ”とトランプ政権と再確認している。国民のための政治をやる気があるのか、有権者は疑問を持ちはじめていると思います」(五十嵐仁氏=前出)

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4月24日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月23日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「野党が一つになれば勝てる 期待される共産党の党名変更」
 立憲と国民民主が宮本を自主投票にとどめたのも、基本政策の異なる「実質的な共産候補」と捉えたから。相変わらずの「直接、組めば支持者が離れる」という屁理屈である。特に国民民主支援の旧同盟系の産別労組は共産への忌避感が根強い。いくら宮本が共産の看板を下ろし、「当選しても無所属を貫く」と本気度を示しても、アレルギーは拭えなかった。

 「加えて立憲による国民民主議員の引き抜き、国民民主、自由両党の合併構想の行き詰まりと野党間はサヤ当て、仲たがいの話題ばかり。自ら共闘ムードに水を差す体たらくです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 前出の五十嵐仁氏もこう言うのだ。
 「野党党首がクビをそろえて並ぶだけでは、共闘とは言いません。持てる組織と力をフル回転させ、相乗効果を発揮しなければ安倍1強は打破できないのです。共産党も他の野党もエゴを抑え、共闘の大義名分を掲げるしかない。自民党を焦らせ、ダブル選に二の足を踏ませるくらいの本気度を示すべきです」

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4月22日(月) 衆院補選での教訓を学び参院選に向けて早急に「本気の共闘」の確立を [選挙]

 統一地方選挙後半戦の結果が明らかになりました。同時に投票された衆院補選も投開票されています。
 とりわけ、夏の参院選の前哨戦として注目されていたのが衆院沖縄3区と大阪12区の補欠選挙です。その補選では沖縄3区で野党が支援する無所属新人の屋良朝博候補、大阪12区では日本維新の会の新人藤田文武候補が当選しました。

 自民党公認候補はこの両方の選挙区で落選しています。安倍首相が2012年に第2次内閣を発足させて以降、自民党が衆参の補選で敗北したのは初めてのことになります。
 大阪3区での補選は自民党議員の死去によるもので「弔い選挙」でした。ここでの敗北によって、自民党は1議席失ったことになります。
 背景には、長期政権の驕り、塚田副国交相の「忖度発言」や桜田五輪担当相の暴言などへの批判の高まりがあったと思われます。「安倍一強」体制の綻びが生じたということでしょうか。

 沖縄での野党共闘の勝利によって、新基地建設反対という沖縄の民意がまたも明確な形で示されました。辺野古での新基地建設反対という意思が県知事選や県民投票で明示されているにもかかわらず、民意を無視して土砂投入を続けてきた安倍政権に明確な「ノー」を突きつけるものです。
 自民党候補は沖縄の民意に反して、基地建設容認・推進を初めて打ち出しました。沖縄の人々の気持ちを無視し逆なでするような安倍政権の対応とともに、このような候補者の姿勢が大きな反発を買ったと思われます。
 選挙を闘う態勢として「オール沖縄」が果たした役割も大きかったと言えるでしょう。保守も含めた市民と野党との共闘の源流である沖縄で、その効果と真価が発揮され大きな勝利を生み出したということができます。

 他方で、大阪では市民と野党との共闘は勝利できず、残念な結果に終わりました。しかし、議員生命を投げ打って安倍政権に対抗する選択肢をつくり出し、市民と野党の共闘への道を切り開いた宮本たけし候補の決断と勇気は高く評価されます。
 宮本さん自身が述べているように、勝算を度外視した決断であり、この覚悟を受け止めて自由・社民・立憲・国民の党首をはじめ6野党・会派から多くの国会議員、文化人や知識人、1000人をこすボランティアが応援・激励に駆け付けました。無所属とはいえ共産党議員だった候補を、立憲野党の党首や議員が応援したのは歴史上はじめてのことです。
 最終盤には安倍首相と麻生副総理が応援に入って安倍官邸対野党共闘の構図が明確になりましたが、宮本さんが立候補しなければこのような形での対立構図が鮮明になることはなかったでしょう。今後に生きる大きな財産をつくり出した歴史的な闘いであり、全国に勇気を与え野党共闘に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

 二つの補欠選挙で自民党は連敗し、野党共闘は1勝1敗という結果になりました。沖縄と大阪での対照的な結果は、夏の参院選への大きな教訓を残しています。
 沖縄では新基地建設反対で県民が結束して安倍政権に対抗してきたというプラスの要素があり、大阪では維新の力が強く統一地方選挙前半戦での知事・市長のダブル選挙からの流れに飲み込まれるというマイナスの要素がありました。これらの独自の背景とともに、重視するべきは共闘のあり方の違いです。
 沖縄では「オール沖縄」という形で「本気の共闘」が実現しましたが、大阪では立憲民主党と国民民主党は自主投票で推薦には至りませんでした。両方を比べれば、「本気度」に大きな違いがあったことは否めません。

 選挙戦の最終盤、萩生田光一自民党幹事長代行の発言が注目を集めました。萩生田さんは「今まで(消費税増税を)『やります』と言い続けた前提は、景気が回復傾向にあったから。ここへきて、ちょっと落ちていますよね。……6月の日銀短観の数字をよく見て、本当にこの先危ないぞというところが見えてきたら、崖に向かってみんなを連れて行くわけにはいかないので違う展開がある。……(増税を)やめるとなれば、国民の皆さんの了解を得なければならないから、信を問うということにる」と述べ、憲法審査会についても「少しワイルドな憲法審査を自民党は進めていかなければいけない」と語っています。
 萩生田さんはダブル選挙を否定し個人の意見だとしていますが、安倍首相の意向を反映したものであることは明らかです。「消費税で違う展開」「信を問う」「ワイルド」という一連の発言は、野党に対して解散をちらつかせて憲法審議への参加を迫る脅しではないでしょうか。
 このような脅しをはねつける唯一の道は、ダブルで選挙をすればダブルで負けるかもしれないという恐れを持たせることしかありません。そのためには衆院補選の教訓を生かし、明確な対立軸を掲げて政策合意を進め、相互推薦・相互支援という水準の高い野党共闘に向けての態勢を早急に確立する必要があります。

 10連休が始まりますが、休んでいる余裕はありません。天皇代替わりの政治利用を許さず、連休明けに予想される「ワイルド」な改憲キャンペーンに備え、参院選1人区での野党統一候補の擁立を一挙に進めなければなりません。
 衆院補選2連敗、景気の悪化と消費10%増税への批判の高まりなどによって自民党内での動揺が強まっています。このチャンスを生かして立憲野党が攻勢に転ずることができるかどうかが、夏の政治決戦を左右することになるのですから。

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4月20日(土) 多数派の過ちを是正するためには少数派に投票するしかない [選挙]

 明日の日曜日、統一地方選挙後半戦の投開票が行われます。東京特別区長・区議、政令市以外の市長・市議、町村長・町村議、衆院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙について、有権者の審判が下されることになります。
 これらの選挙では、多数派の過ちを是正するために、維新以外の立憲野党の少数派に投票していただきたいと思います。多数派に投票しても多数がさらに増えるだけで現状は変わらず、新しい政治が生まれることはありません。

 今回の統一地方選挙は、前半戦も後半戦も、日本社会の戦前回帰が急速に進む中での選挙となりました。天皇の代替わりを控えた新元号「令和」の発表と、それに伴う「改元フィーバー」という一種の「お祭り騒ぎ」によって、天皇制イデオロギーの浸透と定着が図られてきたからです。
 このような社会的雰囲気は政権与党、とりわけ安倍首相にとっては支持基盤強化の効果を果たしたようです。新元号発表以降、どの調査でも内閣支持率が高まりましたから。
 安倍首相は改元や新元号の発表を最大限政治利用し、5年後の新札の発行計画まで発表しました。マスメディアは連日のように天皇の退位と新天皇の即位に向けての準備を報道し、「代替わり」と「新時代の到来」という雰囲気を盛り上げています。

 安倍首相は、意図していた通りに「古い日本」を取り戻そうとしているようです。正確に言えば、その「古さ」は明治以降のものにすぎませんが。
 「このチャンスを逃してなるものか」とばかりに「改元フィーバー」と天皇代替わりを全面的に利用してきました。支持基盤を強化して長期政権化を図るという政治目的のために活用しようとしているのです。
 このあざとい目論見に気付かず、多くの国民は天皇への親しみを強め新元号を歓迎しています。このような社会的雰囲気をさらに利用しようと画策しているのが、萩生田光一自民党幹事長代行が口走った消費増税の延期を掲げての解散・総選挙という奇策です。

 このような目論見や奇策を許さないためにも、統一地方選挙では立憲野党の躍進を実現し、「安倍政治ノー」の審判を突きつけなければなりません。萩生田発言は消費増税についての自民党内での動揺を示しています。
 かつて、大平内閣が一般消費税を導入しようとした時、1979年の総選挙で日本共産党が39議席に躍進して導入を断念させました。当時の『週刊新潮』には、「共産党勝って『増税なし』サンキュー」という記事が掲載されたほどです。
 また、1987年にも中曽根内閣によって売上税が導入されようとした時、統一地方選挙で自民党が大敗して売り上げ税法案を葬りました。選挙の結果次第では、安倍政権を追い込んで消費増税を中止させることが十分に可能だということは歴史が示しています。

 有権者は一票しか持っていませんが、されど一票です。その積み重ねによって、政治を動かすことができます。
 これまでの安倍政権による隠ぺい、「忖度政治」を拒否するために、その一票を活用していただきたいと思います。そうすれば、新しい「希望の政治」を切り開くことができます。
 そのためには維新以外の立憲野党に投票し、少数派を多数派にしていくしかありません。4年に一度しかない機会を生かすために、投票所に足を運んでいただきたいものです。

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4月18日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月17日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「喜ぶのは金持ちだけで庶民は悲鳴 10連休は「世紀の愚策」」
 これだけ「世紀の愚策」が鮮明になっても、安倍が10連休にこだわるのは新天皇即位の祝賀ムードを盛り上げ、政権浮揚につなげたいだけだ。国民の生活よりも、内閣の支持率が大事。とことん自己本位のボンクラ政権の能天気さを見せつけられると、もはや言葉も出ない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「今月1日の新元号発表に続き、9日には5年後の新紙幣のデザインを発表。新時代到来のムードを高めたところで、10連休に突入する。大型連休の真ん中で即位の日を迎えれば、いやが応でも世間は盛り上がり、過去の政権の不祥事は『忘却の彼方に』というのが、安倍首相の腹の内でしょう。いくら10連休で国民が困っていようが、お構いなし。一から十まで夏の参院選に勝ち抜くための発想しか持ち合わせていないかのようです。まるで『新時代プロパガンダ』の国民洗脳にメディアも同調し、お祭り騒ぎですから目もあてられません。日本人は『空気』に流されやすい国民性とはいえ、政権サイドのあざとい狙いを見抜かなければなりません」

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4月16日(火) 統一地方選挙は「不幸せな日本」を変える絶好のチャンスだ [選挙]

 統一地方選挙後半戦での選挙が始まりました。各地で候補者の選挙活動が続いています。

 14日には東京特別区長・区議、政令市以外の市長・市議の選挙が告示されました。今日は、町村長・町村議選挙が告示されます。
 私たちにとっては、最も身近な選挙です。どちらも投票日は今度の日曜日、21日になります。
 この選挙を「不幸せな日本」を変える絶好のチャンスとして生かさなければなりませ。政治なんて私たちの生活に関係ないと思って傍観していたら、とんでもないことになってしまうのですから。

 今の日本が「不幸せ」であるということは、国連の関連団体の調査で明らかになっています。「幸福度ランキング」で日本は156カ国中58位です。
 その指標の一つになっている「国民1人当たりのGDP」で日本は24位になっています。経済開発協力機構(OECD)の調査でも日本の「相対的貧困率」は38カ国中29位、格差を示す「収入不平等指数」は26位でした。
 男女間の格差では、さらに悲惨な状況になっています。世界経済フォーラム(WEF)が発表した「世界ジェンダー・ギャップ報告書」の2018年版によれば、日本は149カ国中110位で、G7の中で最下位でした。
 
 幸福度、豊かさ、格差という点で、日本は大きな問題を抱えています。安倍政権の下で、この国は幸せでも豊かでも平等でもない国に変貌してしまいました。
 ここにも「こんな日本で良いのか」という問いかけが示されています。良いはずがありません。
 それを身近なところから変えるための努力が求められています。町から村から、「こんな日本で良いのか」という問いかけに「ノー」という声を突きつけていこうではありませんか。

 そのための絶好の機会が統一地方選挙です。4年に一度しかめぐってこないこのチャンスを有効に生かしたいものです。

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4月14日(日) 統一地方選挙後半戦でも政治を変えるための一票を投じよう [選挙]

 統一地方選挙の後半戦が始まりました。今日14日に、東京特別区長・区議、政令市以外の市長・市議の選挙が告示されます。
 16日には町村長・町村議選挙の告示が続きます。いずれも、投開票が行われるのは21日です。

 統一地方選挙の前半戦の告示に当たって、3月22日付のブログ「統一地方選で自公の与党と維新に大きな打撃を与え安倍暴走政治をストップさせよう」という記事をアップし、次のように訴えました。
 「統一地方選挙から参院選への一連の選挙での最大の課題は、安倍暴走政治に大きな打撃を与えることです。そのために、与党である自公両党が推薦する首長候補者や自公議員の当選者を減らし、大阪では維新の候補者を落選させなければなりません」
 後半戦でも、政治を変え日本を変えるための一票を投ずることが必要です。そのために、自公両党や維新の候補者を落選させ、立憲野党の候補者を当選させることを呼びかけたいと思います。

 昨日の新聞を見ただけでも、「こんな日本で良いのか」と思わせるような記事が並んでいました。あらゆる点で、この国は危機的な状況にあります。
 韓国による水産物輸入禁止に関するWTO(世界貿易機関)への提訴で逆転敗訴となり、被災地の水産業や農業に大きな影響が出そうです。またもや日本政府の外交的失敗であり、嫌韓・原発推進政策のツケが回ってきたということになります。
 また、日本の総人口が8年連続で減少し、15歳から64歳までの生産年齢人口の割合は統計で確認できる1951年と並んで最低になりました。生きるに値しない国になり、日本社会の縮小がすすんでいるということでしょう。

 学術や経済、産業の分野でも問題山積です。大学などの基礎研究などをめぐる状況が過去3年間で悪化し続けているそうです。
 日本が得意としてきた製造業も危機的です。JDI(ジャパンディスプレイ)の「日の丸液晶」は頓挫し、スズキのブレーキ検査の不正で200万台がリコール、大和ハウスの施工不良が全国で2000棟という記事もありました。
 おまけに、日本原子力産業協会の若者向けウェッブ・サイト「あつまれ!げんしりょくむら」が批判を受けて閉鎖、元駐イラン大使のセクハラが発覚などが報じられ、沖縄では海兵隊第3海兵師団の隊員とみられる米兵が日本人女性を殺害して自殺したのではないかという事件まで起きています。こんな日本になってしまった根底には、「安倍政治」の惨状があることは言うまでもありません。

 その政治では、「こんな政治で良いのか」と問いたくなるような出来事が相次いでいます。典型的なのは、下関北九州道路の調査費計上について「総理と副総理に忖度した」と発言した塚田国交副大臣と「復興より大事なのは高橋さん」と言ってしまった桜田五輪担当大臣の辞任です。
 この二人は正直に本当のことを言い本音を漏らしてしまったため、選挙で不利になるということで責任を取らされたのです。今の政権は「正直者が馬鹿を見る」倒錯した世界になってしまいました。
 安倍首相がかばい続けて対応が遅れたのは、塚田さんが麻生派で桜田さんが二階派だったからです。派閥順送り人事や利益誘導型公共事業という「古い持病」と、「安倍一強」による「忖度」の蔓延という「新しい病気」が絡み合った形で表面化したということになります。

 「こんな日本で良いのか」という現状を変えるためには、政治を変えなければなりません。政治を変えるためには、私たち自身が変わらなければなりません。
 現状を直視して目を逸らさず、諦めることなく一票を投ずることが必要です。その一票も、今の「安倍政治」を支えている自公の与党やその別動隊になっている維新ではなく、立憲野党に投票することが大切です。
 時は春。時間が立てば桜は散りますが、私たちが「ノー」を突きつけないかぎり安倍政権は倒れません。

 「政治の春」を実現しようじゃありませんか。元号が変わり、天皇も変わるのですから、安倍首相も変えましょう。
 「安倍政治」にサヨナラするための一票を。そのための「権力」が今、私たち有権者の手に握られているのですから。

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4月13日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月13日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「桜田クビは目くらまし? 安倍政権が抱える“すさまじい闇”」
 「なぜ、無駄な公共事業だと批判され、凍結された『下関北九州道路』に予算がついたのか謎でした。なにしろ、必要性が低いのに総事業費が2000億~2700億円という巨額プロジェクトですからね。驚いたのは、忖度だけではなく、総理自ら地元への利益誘導を指示していた疑いがあることです。安倍政治の本質を垣間見た気がした。もちろん、忖度もあったでしょう。総理が表立って動くわけにはいかないから、周囲が忖度して動いたということはある。でも、単なる忖度とも言えないと思う。この問題が大きくなることを、安倍首相は嫌がっていたはずです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)


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