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9月1日(土) 安倍改造内閣を覆いはじめた黒い雲 [スキャンダル]

 農水相の椅子は呪われているのではないでしょうか。自殺した松岡さんの怨霊が取り憑いているのかもしれません。
 松岡さんの後任となった赤城さんが結局は辞任に追い込まれました。それに続いて、安倍改造内閣で農水相に抜擢された遠藤新大臣についても、新たな疑惑報道がなされています。

 今日の朝日新聞を見てビックリしました。私以上に、安倍首相の方が驚いたでしょうけれど……。
 その一面には、デカデカと「遠藤農水相トップの組合、不正に補助金115万円」とありました。遠藤農水相が組合長理事をつとめる「置賜(おきたま)農業共済組合」が農業共済をめぐって加入者を水増しするなどし、農業災害補償法に基づく共済掛け金115万円分を国から不正に受給していたことが分かったというものです。
 会計検査院が04年に交付の窓口になっている山形県に指摘したのがきっかけで発覚したそうです。まだこの不正受給分は返還されていません。

 遠藤農水相は82年12月以来、組合長理事を約25年間つとめており、年間240万円の報酬を受け取っています。大臣規範に違反するため、この報酬は受け取らないことにした矢先の問題発覚です。
 しかも、遠藤農水相をめぐっては、代表を務める「自民党山形県第2選挙区支部」が、農水省所管の独立行政法人「農畜産業振興機構」から補助金を交付された「山形県家畜商業協同組合」から5万円の政治献金を受けていたことも明らかになっています。政治資金規正法は国の補助金の交付決定を受けた法人が1年以内に献金することを禁じているため、遠藤さんは献金を返還し、政治資金収支報告書を訂正しました。
 松岡さん赤城さんと、「政治とカネ」をめぐって問題を起こした役所のトップに、またも安倍首相は「政治とカネ」の問題を抱えていた人物を据えたことになります。「二度あることは三度ある」ということなのでしょうか。

 ところで、「政治とカネ」の問題で疑惑が報じられているのは、遠藤農水相だけではありません。これでもかこれでもかと、新たな事実が判明しています。
 岩城光英官房副長官が代表を務める自民党福島県参院選挙区第1支部と同氏の資金管理団体が、政治資金パーティーの券を買った支援者から「税金の控除を受けたいので」と言われ、50万円分を政治資金収支報告書の「パーティー券収入」の項目から「寄付」に訂正していたことが分かりました。
 安倍改造内閣で外務政務官に就任した坂本由紀子参院議員が代表を務める「自民党静岡県参議院選挙区第2支部」と「坂本由紀子静岡県東部後援会」が、会議の費用について2種類の領収書を5回にわたって使い回すなどして、政治資金収支報告書に計約43万円の政治活動費を計上していたことも判明しています。

 また、自民党の荻原健司参院議員の自宅の電気代8万8657円を、自ら代表を務める「自民党東京都参議院比例区第32支部」の光熱水費に計上していたことも分かりました。荻原議員は記者会見で「国民に深くおわびする。迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪したうえで、支部の政治資金収支報告書を訂正する届けを総務省に提出し同支部に全額返金したことを明らかにしました。

 このほか、高村正彦防衛相の資金管理団体が、家賃のかからない議員会館を「主たる事務所」の所在地としながら、3年間で約3000万円を領収書のいらない事務所費として計上していることも報道されています。
 さらに、自民党の玉沢徳一郎元農水相が代表を務める「自民党岩手県第4選挙区支部」が、03年の政治資金収支報告書の支出で同じ領収書を使い回していたことも明らかになっています。日付や費目、金額を書きかえたコピーを添付するやり方で、1枚の領収書を5重計上していた可能性もあるといいます。

 昨日のブログで、『週刊新潮』や『週刊文春』などの右派系週刊誌による民主党議員のスキャンダル報道について、「これから明らかになるかもしれない与党議員のスキャンダルに対する『中和剤』を、あらかじめ散布しているということでしょうか」と書きました。しかし、安倍改造内閣の閣僚や自民党議員に、すでにこれだけの「スキャンダル」が明らかになっています。
 とても、この程度の「中和剤」の散布では間に合わないでしょう。とりわけ、冒頭に取り上げた遠藤農水相の問題は、農水省の補助金を不正に受け取った団体のトップがそのまま農相に就いたことになり、きわめて重大です。

 遠藤農相は農水省で記者会見し、組合長理事については辞任する意向を昨夜、組合幹部に伝えたことを明らかにしました。しかし、「大変な不祥事に違いなく国民に申し訳ない」としつつも、「大臣を受けた以上、最大限努力したい」と語り、辞任しない考えを明らかにしています。
 それなら、この「大変な不祥事」の責任をどのような形で取るつもりなのでしょうか。もともと、大臣になる資格などなかったのです。とっとと辞めるべきでしょう。
 また、遠藤さんを農水相に起用した安倍首相は、任命権者としてどう責任を取るのでしょうか。松岡さんや赤城さんの場合と同じように、本人任せということなのでしょうか。