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9月29日(土) 港を出る前に沈没してしまいそうだ [内閣]

 しばらく、間が開いてしまいました。拙著『労働政策』の原稿を書いているからです。それに、福田政権になって、安倍前政権ほどの危機感がなくなってしまったということもあるかもしれません。安倍さんは、「マジやばい」という感じでしたから……。

 福田さんは幸せです。何しろ、安倍さんというトンデモナイ内閣の後ですから、何をやっても、安倍さんに比べればまともに見えてしまいます。
 福田内閣に対する支持率が軒並み5割台になって、論議を呼んでいます。でも、それも当然でしょう。
 あれほど総スカンを食った安倍さんの後ですから、誰が何をやっても安倍さんよりはましに見えます。安倍さんよりましに見えたということで1割かさ上げされ、新政権発足への「ご祝儀」で1割プラスということでいえば、本当の福田内閣の支持率は3割台だということになるでしょう。

 発足したばかりの福田政権は、直ちに難問を抱え込むことになりました。ミャンマーでの軍事独裁政権による僧侶のデモに対する弾圧です。
 日本人のジャーナリストが命を落とすという痛ましい事件が発生しました。外国人による報道を嫌った独裁政権によって、彼は狙われたのです。
 この独裁政権を甘やかし、経済援助を与えてきたのが日本でした。自国の国民が殺されたのに、断固とした制裁に出ることができないというのは、情けない限りです。

 もう一つ、福田政権を揺るがす問題が持ち上がっています。「政治とカネ」の問題です。福田首相みずから不明朗な会計処理が明らかになったのをはじめ、石破防衛相、渡海文科相、町村官房長官、渡辺行革相、冬柴国交相など、枚挙にいとまがありません。
 このような問題が生ずるのは、政治資金にまつわる疑惑が構造的なものになっているからです。検査が問題なのではありません。
 それ以前に、政治資金の処理自体に問題があるのです。「政治とカネ」の問題は、自民党という政党の構造的な腐敗から生じているのです。

 ということで、出発したばかりの福田政権は、所信表明演説を行う前から多くの問題を抱えこむことになりました。「貧乏くじかもしれないよ」という福田さんの言は、ますます真実性を帯びることになりそうです。