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7月11日(土) 解散か辞任か、またも先送りなのか [解散・総選挙]

 注目の東京都議会議員選挙の投開票日が明日に迫ってきました。天気予報は曇りです。投票率が上がるでしょう。麻生首相にとっては、好ましからざる結果が出る可能性が高いと思われます。

 そのとき、麻生さんはどうするのでしょうか。解散に打って出るのでしょうか、首相を辞任するのでしょうか。それとも、またも決断を先送りするのでしょうか。
 サミット最終日の記者会見で、解散の時期について麻生首相は「諸条件を十分に勘案して近々判断したい」と発言しました。「近々」とはいつのことなのでしょうか。何を、どのように「判断」するのでしょうか。

 都議選の投開票日の翌日、13日(月)に解散に打って出る可能性がささやかれています。その場合の投票日は、8月8日(土)か9日(日)になります。
 しかし、解散するには閣僚全員の署名が必要です。拒否された場合、解任して首相が兼務し、代わりに署名するということになるでしょう。
 多数の反対があった場合、麻生さんは強行突破できるのでしょうか。ただでさえリーダーシップのない麻生さんです。この期に及んで、それだけの蛮勇を発揮できるかは疑問です。

 それに、閣僚の反対を押し切って解散すれば、与党の分裂選挙となることは避けられません。それでなくても与党が不利だとされている選挙戦です。分裂して闘う覚悟ができるのでしょうか。
 注目されるのは、公明党から入閣している斉藤環境相です。公明党は、都議選が終わってから間もない8月前半の総選挙に反対しているからです。
 署名を拒否し、それでも解散した場合、総選挙での自公協力はご破算になります。8月下旬以降の投票ということで、麻生さんは妥協を迫られるかもしれません。

 このように、都議選直後の解散には様々な困難が横たわっています。「これは無理だ」と判断した場合、麻生さんが自ら進んで職を退く可能性があります。
 首相辞任は、自民党の一部にとっては歓迎すべきことでしょうが、国民の理解を得ることはできないでしょう。選挙での審判なしに4度も首相が交代する、それも選挙対策のための看板のすげ替えであることは見え見えですから、理解して欲しいという方が無理です。
 したがって、看板を変えたからといって支持率が回復する保障はありません。かえって批判を招く危険性もあります。

 しかし、自民党からすれば、何もやらずに負けるよりも、何かやって負ける方が良いという気持ちかも知れません。悪あがきでも、やってみなければ、その効果は分からないのですから……。
 とはいえ、国民の目から見れば、何とも情けない限りです。戦後の日本政治を担ってきた天下の政権党ではありませんか。このような悪あがきはみっともない。
 真正面から国民の審判を受け、堂々と下野するという政権党としての矜持を示すべきでしょう。選挙によって政権が交代するのは民主政治であれば普通のことであり、何も力ずくで阻止しなければならないような異常事態ではないのですから……。

 こうなってくると、麻生首相の心境は「行くもならず、退くもならず」ということかもしれません。進退窮まるとは、こういう状態のことを言います。
 結局、何も決断できず、またも先送りするということになってしまうかもしれません。アホー愚図太郎の本領発揮というところでしょうか。
 そうなれば、自民党内の「麻生降ろし」は加速します。内閣不信任決議案や問責決議案の提出など、野党からの攻勢も強まるでしょう。決断できない麻生さんにとっても、「近々判断」しなければならない正念場が訪れることになります。

 いずれにしましても、来週1週間は政局激動の日々となるにちがいありません。日本の戦後政治が、大きく音を立てて旋回する瞬間を迎えているようです。