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7月16日(木) 衆院解散前に自民党の方が解散されたようになったりして [自民党]

 開催されるのかどうか。開かれたとして、何が決まるのか、何も決まらないのかが注目されています。自民党の両院議員総会のことです。

 いよいよ、解散・総選挙に向けての最後のヤマ場にさしかかったようです。このヤマを超えられるかどうかによって、麻生首相の手による解散が可能になるかどうかが決まるでしょう。
 反麻生勢力の中川秀直元幹事長らは、両院議員総会の開催に必要な国会議員の署名を執行部に提出しました。署名は133人で、与謝野馨財務・金融相や石破茂農水相の2閣僚や鳩山邦夫前総務相が含まれているそうです。
 これに対して自民党の執行部は握りつぶしてしまうか、両院議員総会に代わる「総括の場」を開くことでお茶を濁すか、先延ばしして時間切れを狙うか、いずれではないかとみられています。21日までに、両院議員総会は開催されるのでしょうか。

 よしんば、両院議員総会が開催されたとしても、それがどのようなものになるかは分かりません。執行部は、都議選敗北などについての責任を明らかにして陳謝し、次期衆院選に向けた決意を述べるなど、ガス抜きの場にすることを狙うでしょう。
 中川さんたちは、総裁選を前倒しして看板を取り替えようとするでしょうが、署名した人々の全てがこのような考えだというわけではありません。現に、自民党津島派会長は「(津島派で)署名した人の大多数は、純粋に麻生首相と意見交換したいという気持ちだ。総裁選とか、総理をどうするかを念頭に置くなら同調できない」と述べています。
 もし開かれたとしても、両院議員総会は紛糾するにちがいありません。混乱のうちに閉会が宣言され、看板を取り替えることもできず、分裂状態を克服することもできず、選挙戦に突入せざるを得なくなる可能性、大です。

 自民党と連立を組んできた公明党は、この状態を苦々しく見ていることでしょう。自民党の混乱と反麻生の動きは、自民党とともに麻生内閣を支えてきた公明党からしても大きなマイナス要因になるからです。
 分裂選挙になって反麻生の立場で選挙に臨んだ場合、公明党の支援を受けられるのでしょうか。今頃、公明党は選挙支援を交換条件に、反麻生派を押さえにかかっているにちがいありません。
 反麻生勢力の議員は、どこまで突っ張れるのでしょうか。総選挙を目前にして、自民党執行部から公認を撤回されたり支援を拒まれたり、公明党からも支援されなくなるなどというリスクをおかす覚悟があるのでしょうか。

 もがけばもがくほど深みにはまる「あり地獄」状態はまだ続いているようです。衆院が解散される前に、自民党の方が解散されてしまったかのような状況になりつつあります。

 なお、「現代日本の働き方を問う―規制緩和下の労働と生活」という統一テーマの下、駒澤大学で開かれる労務理論学会第19回全国大会http://wwwsoc.nii.ac.jp/jalm/n_jalm/19komazawa3.pdfにおきまして、明後日7月18日(土)午前9時半からの特別シンポジウムで「労働再規制の構造とプロセス」について報告する予定です。これは駒澤大学経済学部との共同企画で一般の方の参加も可だということですので、関心のある方にご出席いただければ幸いです。