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7月28日(火) 累進税率強化と相続税の引き上げによって、財源確保、格差是正、内需拡大の一挙三得を [解散・総選挙]

 民主党のマニフェストが明らかにされました。早速、色々な論評がなされていますが、批判の最大のものは「財源をどうするのか」という点です。
 民主党は無駄を削ることで捻出すると答えています。「それで足りるのか」というのが、自民党などの批判です。それには、こう答えれば良いんです。「足りなかったら、金持ちから取る」と……。

 まず、言わなければならないことは、自民党には批判する資格がないということです。まだ、自民党はマニフェストを出していないのですから……。
 自分では答案を出さないで、他人の答えは間違っていると批判しているようなものです。まず、自分の答案を提出するべきでしょう。
 それに、ここまで財政赤字を増やしてきたのは一体、誰なんでしょうか。長年のバラ撒きや無駄遣いによって財政赤字をここまで増やしてきたのは、自民党自身ではありませんか。

 次に言うべきことは、自民党が行ってきた無駄遣いをやめることによって、かなりの財源を確保することができるということです。民主党のマニフェストでは、公共事業や補助金見直しなどの「無駄遣い根絶」で9.1兆円、財政投融資特別会計の運用益など「埋蔵金」の活用や政府資産の売却で5兆円、租税特別措置などの見直しで2.7兆円を確保することができるとしています。
 ただし、民主党の案では、最も省くべき大きな無駄が見落とされています。それは防衛費と大企業に対する優遇税制です。
 防衛費を削ること、特に、陸上自衛隊関連の装備費については、大胆に削減することが可能でしょう。大企業の優遇税制についても、見直せばかなりの額が捻出できるはずです。

 それでも、不足が出てくるかもしれません。その場合には、やはり増税が必要です。
 そのとき行うべきは、富裕層に対する増税です。この点では、アメリカのオバマ大統領や富裕層の所得税引き上げ政策の必要性に言及したイギリス保守党のキャメロン党首に学ぶべきでしょう。
 お金持ちから取るという政策は、保守的な政権でも可能であるということは、アメリカやイギリスの例からも明らかです。どうして、日本の民主党はこれを見習おうとしないのでしょうか。

 金持ちからの税金を増やし、貧しい人々に減税するのは簡単です。累進税率を元の形に戻し、課税最低限を引き上げれば良いのです。
 こうすれば、財源を確保するだけでなく、格差を是正することもできます。金持ちから税金を多く取り、貧しい人々の税金をまけるのですから……。
 こうすれば、個人消費を増やし、国内市場の拡大にも資することができます。消費性向の低い金持ちの可処分所得を減らし、逆に、消費性向の高い貧困層の可処分所得を増やすことになるのですから……。

 高額の相続財産に対する増税も、効果的でしょう。それを子供手当てや教育関係の財源に回せば良いのです。
 そうすれば、何十億もの財産の相続を、個人ではなく世代として行うことになります。先行する世代から次の世代に富を相続することによって、次の世代の成長を助けなければなりません。

 累進税率を元に戻し、高額の相続に対する税を強化する。これによって、財源の確保、格差の是正、内需の拡大という一挙三得を実現する。
 どうですか。良いアイデアだと思いませんか。