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7月15日(水) 自民党候補を落選させ共産党候補に1議席プレゼントした幸福実現党 [選挙]

「敵前逃亡」なのか「タイタニックからの脱出」なのか。古賀誠自民党選挙対策委員長が、突然、辞意を表明して総務会から出て行ってしまいました。ヒョッとしたら、麻生首相も、突然、辞意を表明して閣議から出て行ってしまうかもしれません。

 自民党の混乱が続いています。麻生降ろしの声は、永田町近辺に響き渡っているということでしょうか。
 片や、都議選など地方選挙連敗を総括するための両院議員総会の開催を求め、片や、麻生さんを先頭に既定路線での総選挙実施をめざす。自民党は分裂状態に陥っています。
 結構じゃありませんか。大いにやったらよろしい。そのような醜態の全ては、来るべき総選挙での判断材料として有益でしょうから……。

 このままなら、自民党は、不人気で統率力を欠いた麻生首相の下で総選挙を戦うことになります。最前線の司令官であった古賀さんを欠いたまま戦闘に突入しなければならないでしょう。
 自民党が分裂選挙となることも、おそらく避けられません。さらなる混乱と混迷が、自民党を襲う可能性もあります。
 それにもう一つ、自民党を悩ませそうな要因があります。誰も注目していないようですが、総選挙での幸福実現党の候補者擁立という問題です。

 先の都議選でも、幸福実現党は10選挙区で候補者を擁立しました。新聞に大きな広告を出すなど派手な動きをしていた割には、各選挙区で千票前後の得票しかできず、ほとんど影響はありませんでした。
 しかし、選挙の結果に全く影響しなかったかというと、そうではありません。足立区では、幸福実現党が候補者を立てたために共産党と自民党の当選者が入れ替わっています。

 幸福実現党の母体になっている幸福の科学は、これまでの選挙で自民党を応援していました。今回は、候補者を立てましたので、その候補の得票は、これまでであれば自民党に入っていたと考えられます。
 足立区で10位に終わった幸福実現党の宮本幸子候補の得票は2115票でした。次点で落選した自民党現職の高橋直樹候補の得票は3万2895票ですから、合計すれば3万5010票になります。
 最下位で当選したのが共産党新人の大島芳江候補で3万4130票です。次点の高島候補との差は、わずかに1235票でした。

 最下位で当選した共産党候補と次点に終わった自民党候補の差1235票は、幸福実現党の候補者が獲得した票の58%に当たります。もし、幸福実現党の候補者の票が自民党候補に投じられていれば、共産党候補との逆転が生じていたはずです。
 幸福実現党が候補者を立てて2000票以上も得票したために、自民党候補は1235票の差で落選しました。独自候補が立たず、これまで通り自民党を応援していたら、最下位当選者と次点は入れ替わっていたかもしれません。
 幸福実現党は、最下位で当選した共産党候補にとって、文字通り「幸福」を「実現」したことになります。とはいえ、宮本候補の得票の全てが自民党の高島候補に入ったかどうかは分かりませんが……。

 次の総選挙でも、幸福実現党は小選挙区で候補者を立てるようです。ヒョッとしたら、都議選での足立区と同様の現象が起きるかもしれません。
 足を引っ張られる可能性のある自民党にとっては、これも頭の痛い問題だというべきでしょう。幸福実現党には、自民党の当落に影響を及ぼすほどの“健闘”を期待したいものです。