SSブログ

6月16日(火) 各種世論調査が示す自民党敗北の予兆 [政党]

 「厳しいかもしれませんが点数はつけられません。マイナスです」と言い切るのは法大教授の五十嵐仁氏(政治学)だ。
 その理由は?
 「まず、基礎的学力がなさ過ぎます。漢字は読めない、ウズベキスタンとカザフスタンを間違うなど、大人としての知識・教養が決定的に欠如しています。だから、過去の事例を検証もせず小渕内閣で失敗したバラマキ対策を平気でやってしまう。さらに、これが最大の問題ですが、リーダーとしてもっとも大切な決断力がない。解散からは逃げまくり、発言もブレまくる。ご本人にとっても、首相にならないほうがよかったのではないでしょうか」

 これは、6月13日付の『日刊ゲンダイ』に掲載された私のコメントです。麻生内閣に「何点つくだろうか」という問いに対する答えでした。
 ここで「ウズベキスタンとカザフスタンを間違うなど」と言ったのは、サッカーのワールドカップ・アジア予選の試合が行われた国を間違えたからです。「など」というのは、チェコとスロバキアが分離して別の国なっているのに、「チェコ・スロバキア」と言っていたからです。
 これらは、「基礎的学力」や「知識・教養が決定的に欠如」している一例にすぎません。このような「アホー首相」を国民が見放しているということは、先週末に実施された各紙の世論調査結果にはっきりと示されています。

 たとえば、麻生内閣に対する支持率、不支持率は次のようになっています。

共同:支持率 17.5%  不支持率 70.6%
朝日:支持率 19%   不支持率 65%
毎日:支持率 19%   不支持率 60%
読売:支持率 22.9%  不支持率 67.8%
日経:支持率 25%   不支持率 65%

 一番厳しい調査結果は共同の17.5%で、一番甘い調査結果は日経の25%です。それでも、不支持率が60~70%という点では、各紙とも共通しています。
 つまり、麻生内閣に対する支持率は2割前後、不支持率は6割以上ということになります。世論調査の数字としては、明確な不信任を突きつけていると言うべきでしょう。

 また、「どちらが首相にふさわしいか」という問いに対する答えは、以下のようになっています。

共同:鳩山さん 50.4%  麻生さん 21.5%
読売:鳩山さん 46%   麻生さん 26%
朝日:鳩山さん 42%   麻生さん 24%
毎日:鳩山さん 32%   麻生さん 15%
日経:鳩山さん 26%   麻生さん 10%

 この場合も、鳩山さんが一番多くなっているのは共同(50.4%)で、少なくなっているのは日経(26%)です。麻生さんの方は、最多が読売の26%で、最少が日経の10%です。
 つまり、麻生さんの最多が、鳩山さんの最少と同じ数字になっているということです。現職の首相としては、みっともないこと、この上もありません。
 鳩山さんと麻生さんの差を比べれば、最大が共同の28.9ポイントで、以下、読売20ポイント、朝日18ポイント、毎日17ポイント、日経16ポイントとなっています。麻生さんの不人気ぶりが際だっているということは、一目瞭然です。

 望ましい政権の枠組みという点ではどうでしょうか。この点でも、民主中心の方が、朝日では29ポイント、共同では21ポイント、日経でも16ポイント、多くなっています。
 特に、朝日の調査では、民主中心の方が自民中心よりも2倍以上も多くなっていること、民主中心が5割を超えていることが注目されます。

朝日:民主中心 52%   自民中心 23%
共同:民主中心 35.9%  自民中心 14.9%
日経:民主中心 29%   自民中心 13%
読売:民主中心 27.1%  自民中心 12.3%

 次期衆院選での投票先ではどうでしょうか。「比例区ではどの党に投票しますか」という問いに対する答えは、次のようになっています。
 いずれも、民主党が自民党を上回り、その差は、最大で26ポイント(毎日)、最小でも13ポイントあります。

毎日:民主党 53%   自民党 27%
共同:民主党 47.8%  自民党 18.7%
朝日:民主党 43%   自民党 23%
読売:民主党 41.5%  自民党 24.5%
日経:民主党 39%   自民党 26%

 最後に、政党支持率を見ておきましょう。各党の支持率は次のようになっています。

    自民   民主   公明    共産   社民   国民新  改革ク  新党日本
日経:31%   37%    3%    4%    2%   1%    0      0
朝日:22     29     3     2     1     0      0      0
毎日:20     34     4     4     1
共同:19.8   38.5    2.1    2.0     1.8     0.5    0.1     0.12
読売:25.0   29.2    3.5    2.7     1.1     0.2     -     -
 
 このような結果を見れば、今、選挙をすれば自民党は民主党に負けるということは、誰にでも分かることです。このような傾向に大きな変化がなければ、次の総選挙での自民党の敗北は避けられません。
 総選挙での関心は、もはや自民党が負けるかどうかではなく、どれほどの敗北を喫するかという点に移ることになるでしょう。逆に言えば、民主党が単独で過半数を獲得できるかどうかという点です。
 その可能性は、次第に強まってきているようです。1993年10月に行われたカナダの総選挙で与党の進歩保守党が前回の169議席からたったの2議席になってしまったというほどの大敗北にはならないでしょうが……。

 ところで、この世論調査には注目すべき点があります。長くなりましたので、これについては、また明日。