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6月17日(水) 世論調査結果が予示する支持政党なし層(無党派層)の投票行動 [政党]

 昨日のブログで、先週末に行われた各種世論調査について紹介しました。その最後で、「この世論調査には注目すべき点があります」と書きました。
 今日は、この点について書くことにしましょう。

 それは、公明党と共産党の支持率と比例区での投票予定との関係です。この点に注目して、先の調査結果をもう一度見てみます。

    政党支持率→比例区での投票予定   政党支持率→比例区での投票予定
共同:公明2.1%→2.7%               共産2.0%→3.2%
朝日:公明3→3                    共産2→3
読売:公明3.5→3.9                  共産2.7→3.2

 毎日と日経の調査では比例区の投票予定を聞いていません。政党支持率では、日経の調査だけが公明党の支持率を共産党が上回っています。
 それよりも注目すべきなのは、共同の調査です。公明党が支持率(2.1%)では共産党(2.0%)を上回っているのに、比例区での投票先(2.7%)では、共産党(3.2%)を下回っています。
 つまり、共産党では支持していないのに投票する人が公明党よりも沢山いるということ、その結果、支持率は低くても比例区での投票では公明党を上回る可能性があるということを示しています。共産党の支持率よりも比例区での投票予定の方が高くなるのは、朝日(2→3%)や読売(2.7→3.2%)でも同様です。

 実は、支持率よりも比例区での投票予定の方が高くなる現象は、民主党でも生じています。同じように、自民党と民主党を比較してみましょう。

    政党支持率→比例区での投票先   政党支持率→比例区での投票先
日経:自民31%→26%               民主37%→39%
読売:自民25.0→24.5               民主29.2→41.5
朝日:自民22→23                   民主29→43
毎日:自民20→27                  民主34→53
共同:自民19.8→18.7                民主38.5→47.8
 
 自民党では、朝日(22→23%)と毎日(20→27%)を除いて、政党支持率よりも比例区での投票先の方がダウンしています。つまり、支持しているのに比例区では投票しないという人がいる(日経調査では5ポイント減)ということになります。
 これに対して、民主党の場合、どの調査でも政党支持率よりも比例区での投票先の方が多くなっています。最も差が小さい日経調査では2ポイント、最も差が大きい毎日調査では19ポイントもアップしています。
 このような差は、支持政党なし層(無党派層)の投票行動を予示しているように思われます。その結果、支持率で自民党を上回っている民主党は、比例区での投票先ではさらに無党派層を惹き付け、その差を拡大しているということになります。

 これらの結果から、普段は支持政党を持たない無党派層が、今度の総選挙では民主党や共産党に投票する意向を示しているということが分かります。このような傾向は、多分、都議選についても同様でしょう。
 つまり、総選挙前に行われる可能性が高い都議選での自民党の敗北は、おそらく避けられないということになります。公明党は苦戦し、共産党に追い抜かれる可能性もあります。
 というのは、このような投票行動を選択する無党派層が最も多いのは都市部だからです。無党派層の動向は、最近の選挙で大きな変動要因となってきましたが、今度の都議選と、おそらくはそれに引き続く総選挙においても、劇的なドラマを演出することになるのではないでしょうか。

 今回の世論調査には、これ以外にも興味深い点があります。これについては、また明日。