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7月9日(月)  口裏合わせの前言撤回は見え見え [スキャンダル]

 これも、政治の厳しさというのでしょうか。「やらせ」だと分かっているようなことでも、演じ続けなければならないのですから……。

 赤城農相の事務所費問題です。安倍晋三首相は、出演したテレビ局の番組で、「光熱費が月800円の人を辞めさせるのか」と農相をかばいました。
 この程度ならどうということはないと言いたいようです。でも、安倍さん。1999年分の光熱費は約131万円も計上されていたんですよ。
 普段はお父さんとお母さんが住んでいるだけなのに、どうして月10万円以上もの光熱費がかかるのでしょうか。通常ならそれほど大きな増減がないはずの高熱水費が、どうして、ある年には800円で別の年には10万円になるのでしょうか。光熱費が月800円しかかからないのに、何故、10年間で9000万円以上の経費になるのでしょうか。
 赤城さんから「きちんと説明を受けた」というのであれば、これらの疑問点について、安倍首相は納得されたのでしょうか。赤城さんに代わって、国民に説明できるというのでしょうか。

 赤城さんの両親は父親名でこの問題に関する文書を発表し、「自宅が後援会事務所として使われていないかのような報道がなされておりますが、私どもの真意が伝わらず騒ぎが大きくなって驚いております」とした上で、「以前は秘書が常駐していましたが、今は事務を水戸事務所で行わせていることから、事務を行う『事務所』としての活動が以前ほど活発ではないという趣旨でお話しした」と説明して、「実体がない」とした前言について釈明しました。
 赤城さんのお母さんも、取材に対して「実家では今でも国政報告会など集会を開いており、活動の拠点となっている。最初の取材で誤解された」と話し、実家に事務所としての実体がないとした前言を撤回しました。予想されたとおりの展開です。

 多分、「親父、あれは困るよ」と、赤城さんが電話でもしたのでしょう。口裏を合わせてくれるように、ご両親や関係者に頼んだことは見え見えです。
 嘘をつかせられるご両親は可哀想です。息子のためとは言え、辛い試練でしょう。
 嘘をつかせる息子の方は、もっと辛いかもしれません。普通の神経の持ち主なら、「申し訳ない」と、心の中で手を合わせているにちがいありません。

 それもこれも、安倍内閣を守るためです。安倍首相に「迷惑」をかけないために、赤城さんは精一杯の「嘘」をついているのでしょう。
 「息子のためなら」と、お父さんやお母さんも、心ならずも前言を翻したのではないでしょうか。事務所として使っていると、すぐにばれるような嘘をつきながら。
 同様に、「選挙以外では使ったことはないはず。自分が代表者であることも知らなかった」と話していた後援会の代表も前言を翻し、実家が事務所として使われていたかのような説明をしていました。この方も、苦しい言い訳を強いられ、嘘をつかせられているにちがいありません。

 今朝、テレビ朝日に送られてきたファクスには、送信した商店の名前が印刷されていました。ファクスを送れば送信元が自動的に印刷されることを、お父さんはご存じなかったのです。
 赤城さんは、事務所費にはファクスのリース費用も含まれていると説明していました。しかし、事務所だとされている自宅にファクスはなく、お父さんはそれを使ったこともないのでしょう。
 それだけではありません。いろいろと記者に質問されたお父さんは、説明に窮して「それは事務所に聞いてもらいたい」と答えていました。「おやおや、お宅が事務所じゃなかったんですか」と、突っ込みを入れたくなります。

 突然、渦中に巻き込まれることになった赤城さんのご両親はお気の毒です。このような騒動に巻き込んでしまった赤城さんも心苦しいことでしょう。
 今となっては、松岡さんが何故自殺したかが分かるような気がします。松岡さんも、苦しんだにちがいありません。しらを切って嘘をつき続けることに……。

 安倍さんのためを考えれば、本当のことを言うわけにはいかないのかもしれません。しかし、嘘をつき続ければ、ご両親まで嘘つきにしてしまいます。
 赤城さんも、悩んでいるにちがいありません。でも、赤城さん。自殺など、してはなりませんよ。あなたはまだ、若いのだから……。

 安倍さんは赤城さんをかばい、守ろうとしているのでしょう。松岡さんの二の舞を避けたいと思っているのかもしれません。
 しかし、安倍さん。それは間違っています。今のような対応は、赤城さんを守ることにはならず、松岡さんと同様に、追いつめることになってしまうかもしれないのですから……。