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7月22日(日)   “蜂”の襲来で、与党過半数厳しく [参院選]

 “泣きっ面に蜂”は2匹程度ではなかったようで、その後も、いろいろな事実や発言が明らかになっています。選挙まっただ中での“蜂”の襲来に、安倍首相は頭を抱えていることでしょう。お気の毒に……。

 事務所費問題で疑惑を持たれている赤城農相ですが、新たな疑惑が明らかになりました。赤城農相の関連政治団体「つくば政策研究会」が1997年以降、事務所を引き払っていた東京・西新橋のビルを主な事務所として総務省に届け出ていたうえ、この年から7年間にわたって政治資金収支報告書に、人件費約757万円、光熱水費約111万円、備品・消耗品費約122万円、事務所費約225万円の合計約1215万円を計上していたことが分かりました。
 関連政治団体が事務所を移転していたのに届け出ていませんでした。それに、すでにそこにはない政治団体の事務所費として1215万円が計上されていたことになります。しかも、このような政治団体があることを赤城さんは「私自身がこの団体のことを知らなかった」とし、代表者だった元町長も「新橋に事務所があったことは、取材を受けて初めて知った」と話しています。
 政治資金規正法は、主な事務所を移転した場合7日以内に異動届を提出するよう義務付けていますから、今回のケースは明らかに政治資金規正法違反になります。また、実態のない事務所費に経費を計上していたという点では、辞任した佐田前行政改革担当相のケースと同じです。これだけ問題が明白なのに、赤城農相は辞任せず、安倍首相がかばい続けているということでは、松岡さんの場合と同様です。

 さて、その松岡さんの事務所費問題ですが、新たな証言が明らかになりました。農水省の山本拓副大臣が、福井県坂井市での演説会で、「たいした話ではない。赤坂の芸者に行く際に、花代は領収書がもらえないんですよ。それを事務所費で払っていたという話だった」などと発言していたのです。
 山本副大臣は後に「松岡さんとは昔から友だちで、若い頃一緒に遊んだ仲間。『政治とカネ』に絡んで参院選で自民党に逆風が吹いているので、会場の人を和ませるために冗談を言った。まともに取られたのは心外だ」とこれを打ち消したそうです。しかし、「昔から友だちで、若い頃一緒に遊んだ仲間」の証言です。本当かもしれません。

 さらに、今日の『朝日新聞』には、小さくではありますが、小泉前首相の失言も報じられています。「自衛隊、戦力でないという考えは『めくら』」という記事がそれです。
 小泉前首相は、大阪府高槻市の演説で、自衛隊が戦力に当たらないという考え方について、「戦力ない自衛隊なんて意味がない。これを戦力ないんだって(言うのは)、もう(現実を)見ない、めくらになっちゃってる」と述べました。
 その直後に、「差別用語だから、撤回しないといけない」と述べ、「現実を重視していない」と言い換えたそうです。言ってはならないことを言い、後で慌てて撤回するというのは、山本拓副大臣の場合と全く同じです。

 このようななか、すでにこのブログでも紹介した『朝日新聞』『読売新聞』に続いて、『毎日新聞』『日経新聞』共同通信の参院選情勢についての報道がありました。今日の各紙に掲載されています。
 これらの記事の基調は共通しています。与党の過半数維持は不可能というものです。
 98年の44議席の維持すら危ないようです。橋本元首相同様、安倍首相の退陣が避けられなくなるのではないでしょうか。

 『毎日新聞』は「与党、過半数厳しく 自民は1人区で苦戦」と報じています。調査は、119~21日に電話で実施されました。
 この記事の主な内容は、以下の通りです。

 自民党は29ある1人区を中心とした選挙区と比例代表で苦戦、惨敗した98年参院選の44議席を下回る可能性が強まっている。公明党は01年参院選で獲得した13議席の維持が微妙で、与党が非改選組を合わせた参院の過半数を維持するのは厳しい情勢だ。民主党は過去最高だった04年の50議席を超える勢いで、非改選を合わせて参院第1党への躍進が有力。ただ、投票先を決めていないと回答した人や無回答が選挙区で33%、比例代表で31%おり、終盤情勢は流動的だ。

 『日経新聞』も「与党過半数厳しく、民主第一党の勢い」として、次のように報じています。

 自民は選挙区、比例代表とも振るわず、改選64議席を大幅に下回る見通し。公明も改選12議席を割る可能性があり、非改選を含めた与党の過半数維持は難しい情勢だ。民主は選挙区、比例代表とも議席を大きく伸ばし、参院の第一党となる勢いだ。

 この『日経新聞』の調査で注目されるのは、安倍内閣支持率が27%に低下し、『日経新聞』調査では初めて3割を切ったことと、これまで一貫して自民党の方が高かった政党支持率で、民主党への支持が初めて自民党を上回ったことです。
 安倍内閣の支持率は、6月の前回調査より9ポイント減という大幅な低下になりました。『読売新聞』調査では上昇に転じて持ち直したように見えましたが、依然として内閣支持率は低下しているようです。
 また、政党支持率では、民主は前回から4ポイント上昇して30%となり、自民は6ポイントの低下で29%となりました。これは初めての逆転です。内閣支持率も政党支持率も、低下傾向に歯止めがかかっていません。

 共同通信社も19~21日の3日間、全国の有権者4万3000人余りを対象に電話による世論調査を実施し、「自公、過半数困難」と報じました。
 自民党は「選挙区、比例代表ともに振るわず、40議席割れもあり得る。公明党も目標の13議席確保が微妙で、自公両党は参院で非改選を含み過半数の維持が困難な状況。民主党は選挙区、比例ともに躍進し、結党以来最高の50議席台後半をうかがい参院第1党となる勢い」だそうです。
 自民党だけでなく公明党にも勢いがないこと、自民党は「40議席割れもあり得る」とされていることが注目されます。いよいよ自民党は30議席台に突入か、ということですが、そうなるためには、このような傾向が今後も維持されること、投票率が6割台を越えることが必要でしょう。

 投票日は来週の日曜日ですから、参院選の公示期間はまだ1週間あります。この間に、与党は全力で無き返しを図ろうとするでしょう。
 どのような謀略があるか、分かりません。最後まで気を抜かず、今の傾向を維持することが大切です。
 変化こそが、日本政治における新しい芽を生み出すことができるのです。今日とは違う明日を作り出すために、昨日とは違う選択を行わなければなりません。

 なお、本日、八王子市役所の本庁舎まで「期日前投票」に行ってきました。これで29日(日)に出かけることができますし、何があっても私の1票は大丈夫です。
 手続きは極めて簡単です。皆さんも、ぜひどうぞ。