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7月26日(木)  困ったときの「北朝鮮頼み」 [参院選]

 7時のNHKニュースを見ていたら、赤城農水相の姿が写りました。日本産のお米を売り出すPRに中国に行っているんですね。
 参院選の忙しいさなかではありますが、候補者からの支援要請などはないようです。絆創膏も貼らず、無精ひげもきれいに剃り、日本国内いるときよりも生き生きとしているように見えました。

 テレビといえば、今日の夕方のニュースで「投票ぴったん」が取り上げられました。テレビ朝日の「Jチャンネル」です。
 選挙への関心を高めたり、争点を知る上で有効だとか、投票する政党を決める上でも役に立つと、高く評価していました。これは大変な宣伝です。
 夜になって、このプログラムの開発に加わっている娘から電話があり、案の定、アクセスが殺到してサーバーがダウンし、それに備えていたミラーサイトもギブアップしてしまったそうです。復旧には時間がかかるようで、「折角、これからというときだったのに」と悔しがっていました。

 このように、参院選への関心は相変わらず高いようです。それに、「自・公に逆風止まらず」(『読売新聞』7月26日付)という状況にも変化はありません。読売新聞が行った全国37の激戦区や注目選挙区での世論調査(23~25日)によると、参院選終盤の情勢は次のようになっているといいます。

 自民党は選挙区選で不振が続き、伸び悩んでいる比例選と合わせても40議席を下回る可能性が出てきた。公明党も苦戦しているため、非改選議席を含めて与党が参院の過半数を大きく下回ることが濃厚となった。民主党は1人区などで好調を維持し、60議席台をうかがっている。ただ、選挙区選で約4割が投票先を決めておらず、情勢はなお流動的な要素もある。

 つまり、前回の全国調査と比べて、終盤の情勢は与党にとって「一段と悪化」しているというわけです。「このままの情勢で投票日を迎えた場合、安倍首相や自民党執行部の責任問題などで政局が緊迫することも予想される」と、読売新聞でさえ「予想」しています。
 こうなってくると、いつもの“手”を出したくなるようです。困ったときの「北朝鮮頼み」という使い古した常套手段を……。
 今日の『読売新聞』は、「『北朝鮮は自民大敗を願っている』森元首相、金沢で演説」という見出しで、次のように伝えています。

 政府高官や自民党幹部から25日、参院選で安倍首相が率いる自民党が敗北すると北朝鮮を利する結果になる、として自民党への支持を訴える発言が相次いだ。
 森元首相は金沢市での街頭演説で、「北朝鮮は安倍さんが(参院選で大敗し)つぶれてくれることを願っている。そんな北朝鮮の不埒(ふらち)なやり方に黙っていてはいけない。安倍さんを勝たせるしかない」と述べた。
 塩崎官房長官も都内での街頭演説で、「北朝鮮は安倍内閣の行方をじっと見ており、(参院選が与党にとって)あまりいい結果ではないことを期待している」と指摘した。

 北朝鮮に対する国民の嫌悪感に訴えようとしているわけです。これまでも、改憲や集団的自衛権行使の容認、自衛隊の増強や在日米軍の再編強化、日米の軍事的一体化や軍事大国化に向けて、「北朝鮮の脅威」が利用されてきました。
 今度は、選挙に利用しようというわけです。何という姑息なやり方でしょうか。
 拉致問題や核開発疑惑の解決は、党派を超えて日本全体で取り組むべき課題であるはずです。それを選挙に利用しようと考えること自体、大きな問題ではないでしょうか。

 それだけではありません。自民党が大敗すれば景気が後退するかもしれないという脅しが始まりました。
 例によって『産経新聞』です。「どうなる安倍政権 40議席未満なら景気後退も」という観測記事が掲載されました。
 この記事は、「歴史的大敗」となれば「政界は大混乱に陥る。国家予算は最低限必要な骨格予算しか成立させることができず、有効な経済政策が打ちにくくなり、景気は後退局面に入ることが予想される。外交でも主導権を発揮できず、日米の同盟強化に影響が出る可能性もある。対中国、対北朝鮮外交では譲歩を重ねることにもなりかねない」と脅しています。「40議席未満」もあり得るという終盤の情勢に危機感を募らせ、安倍首相に対する援護射撃を始めたというわけです。

 このような「反撃」は、当然あり得るものです。これから投票日までの数日間、このような世論工作はさらに活発になることでしょう。
 しかし、それに惑わされてはなりません。そもそも、「景気」に見離されている庶民や地方にとって、「景気後退」などという脅しが通用するはずもないのですから……。