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7月10日(火) 光熱水費「『月800円』の怪」 [スキャンダル]

 昨晩、『日刊ゲンダイ』の記者から電話がかかってきました。今朝は、大原社研に出勤してしばらくした頃、『東京新聞』の記者から電話がありました。
 どちらも、赤城農相の事務所費問題についての取材です。この問題が、いかにマスコミの関心を集めているかということでしょう。
 記者さんには、昨日のブログに書いたようなことを答えておきました。今日の『日刊ゲンダイ』、『東京新聞』夕刊の社会面に記事が出ています。

 今日、赤城さんは閣議後の会見で、事務所費などが年によって大きく変動した経過などを説明しました。
 それによると、90年の初当選以来、実家に後援会事務所を置き、88年からは実家のほか下妻市にも事務所を置いて事務所費や光熱水費などを合算していた。94年に小選挙区が導入されて水戸市が新たに選挙区に加わったため後援会の事務所を置き、水戸の活動が中心となったため下妻市の事務所は閉鎖したといいます。
 つまり、実家の事務所はあまり活動していなかったけれど、下妻市や水戸市にも事務所があり、そちらも合算していたから経費が多くなったと仰りたいようです。

 しかし、水戸の事務所は独自に光熱水費を計上しています。それも合算されていたとすれば、二重の計上ということになるでしょう。
 また、下妻市の事務所はどうなのでしょうか。独自に事務所費や光熱水費を計上していなかったのでしょうか。
 赤城さんの今回の説明でも、納得が得られたというわけにはいきません。それどころか、説明の付かない新たな疑惑も浮上してきています。

 これについて、今日の『日経新聞』は「『月800円』の怪」という記事で、「農相の実家のある筑西市の1カ月当たりの水道使用料金は基本料金だけで最低1836円。電気代の基本料金(30アンペア)は月819円で、水道・電気の基本料金支払いだけで月2655円かかる」と報じています。まさに、「『月800円』の怪」そのものです。
 しかも、赤城さんの言うように、水戸の事務所の分も合算されているのであれば、実家と水戸の両方で800円ということになります。ところが、この年、水戸市にある事務所は月平均約1万2000円の光熱水費を計上していました。それを「合算」して800円というのは、どう理解したらよいのでしょうか。

 この「800円」という金額は、8日のテレビ番組で赤城農相をかばうために安倍首相が持ち出した数字です。「800円で大臣をやめさせるのですか」と……。
 安倍さんは「800円だから許される」かのように弁護したわけです。しかし、この『日経新聞』の記事が正しいとすれば、「800円だから許されない」ということになりそうです。
 基本料金だけでも「2655円」かかるはずの光熱水費が、どうして800円という金額になっているのでしょうか。これについても、納得のいく説明が必要でしょう。
 安倍首相がテレビで強調したために、かえって、事務所費の金額には根拠がないことを示す象徴的な事例になってしまったようです。何とも、皮肉な結果だと言うべきでしょうか。