SSブログ

7月11日(月) 参院選の結果をどう見るか [参院選]

 注目された参院選が終わりました。当初の予想通り、自民・公明の与党の勝利となり、改憲勢力も3分の2を超えています。
 容易ならざる局面が訪れることになったわけですが、正確に言えば、与党の勝利というより野党の敗北ではないでしょうか。ただでさえ弱体化した野党が厳しい情勢の下での選挙を強いられ、対抗する陣営を築くこともできず、負けるべくして負けてしまったように見えます。

 もともと厳しい情勢の下での選挙であったことは否定できません。それは、長期・中期・短期の3層構造でした。
 長期的には、安倍政権以来進行してきた日本社会の右傾化という問題があります。これは中間層の没落と貧困化の進展を背景にしたもので、維新の会への支持の増大、NHK党の勃興や今回の選挙での参政党の進出、労働組合・連合の保守化と自民党への接近などの背景にもなっています。
 中期的には、岸田政権の登場とロシアのウクライナ侵略による好戦的雰囲気の高まり、安全保障への関心の強まりと大軍拡・9条改憲の大合唱などを挙げることができます。強権的な前任者とは異なるソフトな印象の岸田首相の手ごわさ、内閣支持率の安定と自民党支持率の高さなどに加え、「聞く力」を前面に対立を避け、安全運転に徹して聞き流すだけで何もしない姿勢が功を奏したということでしょうか。
 そして短期的には、安倍元首相に対する銃撃と死去という衝撃的な事件の影響があります。投票日2日前の最終盤という微妙な時点で勃発したこの事件によって自民党に対する同情が沸き起こったのではないかということは、7月9日の期日前投票での調査からもうかがうことができます。

 このような不利な情勢の下で選挙に臨んだ野党でしたが、その対応は大きな疑問符がつくようなものでした。「これでは勝てない」と、選挙の前からある程度予想できるような対応に終始してきたからです。
 何よりも大きな問題は、昨年の総選挙の総括を間違えたことにあります。政権との対決の強化と野党間の共闘の再建こそが野党勢力の挽回にとって必要な最善の道であったにもかかわらず、その逆を選択してしまったからです。
 総選挙後、野党に対して「批判ばかりだ」という批判にたじろいだ国民民主党は「対決より対案」を掲げて政権にすり寄り、当初予算に賛成して内閣不信任案に反対するなど補完政党へと転身し、これに引きずられる形で立憲民主党も政権批判を手控えて対案路線に転ずるなど、維新の会を含めた翼賛体制づくりの波にのまれていきました。これでは政権の問題点が明らかにならず、与党の失点を浮かび上がらせることもできません。

 加えて、「共闘は野合」「立憲共産党」などの分断攻撃に屈し、連合による揺さぶりによって腰が引けた立憲民主党の執行部は、共産党との連携や野党共闘に対して消極的な姿勢を強めてきました。まさに、自民党の思うつぼにはまってしまったわけです。
 その結果、32ある1人区での共闘は11にとどまり、前々回の11勝、前回の10勝の半分以下、たったの4勝に終わりました。こうなることは選挙の前からある程度予想されていたことで、一人区での勝敗が参院選全体の勝敗を大きく左右するということからすれば、ここでの分裂が自民党に漁夫の利を与えて参院選での勝利をもたらすことは自明でした。
 一人区での共闘に向けて真剣な取り組みを行わなかった立憲民主党と、背後から揺さぶりをかけ続けた連合の責任は大きいと言うべきでしょう。形だけの共闘によって表面を取り作ってみても真剣さが欠けていれば本気の共闘にはならず、力を発揮することができないのは当然です。

 選挙後の記者会見で、岸田首相は改憲に向けて「できるだけ早く発議し、国民投票に結び付けていく」と強調していました。新型コロナ感染第7波の懸念と今後さらに強まる物価高の大波に備えて命とくらしを守ることとともに、大軍拡・改憲阻止のための憲法闘争に力を入れる必要があるということです。
 この点では、すでに指摘したように安保体制による日米軍事同盟と憲法9条の相互関係、憲法上の制約を生み出している9条の意義の再確認が重要です。9条改憲によって「失うものの大きさ」と「招き寄せるリスクの危うさ」を、国民に幅広く知らせていく情報発信と草の根での世論への働きかけがますます大きな意味を持つことになります。
 同時に、野党共闘の必要性と成果についても再確認し、先の総選挙と今回の参院選を含めた総括と反省をきちんと行い、それぞれの地域や選挙区で立憲民主党の覚悟を問い、野党共闘の再建に向けての努力を開始しなければなりません。

 今回の選挙の結果、直面することになった困難な事態を打開するための活路は共闘にしかありません。力を合わせること以外に情勢を切り開くことのできる道はなく、どれだけの覚悟を持って腰を据えた取り組みができるのかが問われています。
 何もしない岸田政権ですが、大軍拡と改憲だけは執念を持って実行する意図を示しています。国政選挙での審判を受けることのない「黄金の3年間」を許さず、早期に与党を追い込んで解散・総選挙を勝ち取り、活憲の政府に向けての展望を生み出すことが、これからの大きな課題です。

nice!(0) 

7月10日(日) 歴史的な岐路に立つ参院選で誤りのない一票の行使を [参院選]

 いよいよこの国の命運がかかった参院選の投票日を迎えました。一昨日に突発した安倍元首相への銃撃・殺害事件によって、参院選をめぐる情勢はますます混とんとし予断の許さないものとなってきています。
 言論の自由への挑戦である暴力によって、民主主義の根幹である選挙結果が左右されてはなりません。この蛮行に惑わされることなく、本日の投票日において有権者の皆さんが正しい選択を行うことを、再度訴えたいと思います。

 安倍元首相に対する突然の銃撃と直後の死去は大きな衝撃を持って迎えられ、テレビや新聞などのメディアは事件の報道で溢れています。その分、最終盤を迎えた参院選についての報道量は制約され、有権者の関心が薄らいで投票率が下がるのではないかと心配しています。
 安倍元首相は最長を記録した首相の経験者であるだけでなく、自民党の有力政治家で最大派閥の安倍派を率いる領袖です。その悲劇的な最期が多くの国民の驚きと同情を引くのは理解できますが、それが選挙に利用されたり、自民党への同情票の増大を生んだりすることが懸念されます。
 突然訪れた非業の死でもあり、死者にムチ打たないという日本的な慣行によって安倍元首相の功績が過大に評価される傾向も生まれています。その死を悼む言葉は当然としても、それとともに様々な形での美化がふりまかれ右翼的な立場や極論の正当化まで行われることは許されません。

 とりわけ、安倍首相のタカ派的で有害な政策や主張については、蛮行への怒りや暴力への憎しみ、突然の死を悼み悲劇を悲しむ気持ちとは区別して、冷静な批判や問題点の指摘が必要ではないでしょうか。日本経済の停滞と生活の困難を招いたアベノミクス、国民の命と健康を危機にさらしたコロナ対策、モリカケ桜前夜祭などに典型的な政治・行政の私物化、大軍拡や核共有と9条改憲についての極右靖国派としての謬論は厳しく批判されなければなりません。
 今回の参院選が、これからの日本が進むことになるであろう岐路にあるからこそ、このような峻別はなおさら重要なものになっています。ここで岐路というのは、一つは憲法を放棄する「棄憲の国」への道、もう一つは憲法を活かす「活憲の国」への道という二つの道の分かれ目という意味です。
 言うまでもなく、前者は現在の与党と維新などの補完野党による9条改憲によって生みだされる国であり、後者は立憲野党の連合政権によって築かれる国のあり方です。日本の未来を切り開き希望を生み出すのは、後者の道しかありません。

 この点で再度強調しておきたいのは憲法9条の効用であり、その「ありがたさ」です。9条改憲を主張している人々はもちろんのこと、それに反対している人々を含めて、その「ありがたさ」、意義や効用が十分に理解されず、9条改憲によって「失われるものの大きさ」が十分に認識されていないように思われますので、再度確認しておきたいと思います。

 その第1は、憲法9条が戦争加担への防波堤であったということです。安保条約に基づく日米軍事同盟によって日本はアメリカが始めた不正義のベトナム戦争やイラク戦争に協力させられましたが、9条という憲法上の制約があるために全面的な加担を免れることができました。これは歴史的な事実として確認することができます。

 第2に、自衛隊員を戦火から守るバリアーだったということです。日米軍事同盟によって自衛隊はイラク戦争に引きずり込まれましたが、「非戦闘地域」で活動した自衛隊は基本的には「戦闘」に巻き込まれず、殺すことも殺されることもなかったのは9条のおかげでした。このことも、これまで繰り返し書いてきたとおりです。

 第3に、戦後における経済成長の原動力だったということです。これも「9条の経済効果」としてこれまで何度も指摘してきましたが、平和経済の下で国富を主として民生や産業振興に振り向けることができた結果、一時はアメリカと経済摩擦を引き起こすほどの経済成長を実現することができました。

 第4に、学術研究の自由な発展を促進する力でもあったということです。日本学術会議は9条の趣旨を学術にあてはめて軍事研究を拒否してきたため、兵器への実用化や軍事転用などに惑わされることなく地道な基礎研究に邁進し、ノーベル賞並みの研究成果を上げることができました。

 第5に、平和外交の推進に向けての可能性を生み出す力だったということです。しかし、残念ながらこれは可能性にとどまり具体化することはありませんでした。
 日本外交は自主性自立性を持たず、アメリカの後追いにすぎなかったために平和な東アジアを構想する力がなく将来のビジョンもうち出すことができなかったからです。これは政権交代後における活憲の政府による9条を活かした独自外交に期待するしかありません。

 少なくとも憲法9条にはこれだけの意義と効用、「ありがたさ」があったのです。それを変えることで「失われるものの大きさ」も知らず、ただただ改憲を声高に叫ぶことがどれだけ愚かなことか、お分かりいただけましたでしょうか。
 これらのことも念頭において、投票所に足を向けていただければ幸いです。未来に向けての希望を捨て去るのか活かすのか、本日の選択の意味を十分に理解して一票を投じてもらいたいと願うに切なるものがあるからです。

nice!(0) 

7月9日(土) 自民・公明の与党と維新の会を勝たせてはならないこれだけの理由(その2) [参院選]

 安倍晋三元首相に対する銃撃・殺害という驚天動地の事件が勃発しました。参院選での選挙演説中での事件であり、言論に対するテロ、民主主義への挑戦にほかならず、満腔の怒りを持って糾弾するものです。凶弾に倒れ、犠牲となられた安倍元首相のご冥福をお祈りしたいと思います。
 同時に、安倍元首相はモリカケ桜前夜祭などを通じて政治・行政の私物化や虚偽答弁、公文書の偽造と改ざん、忖度と追従のまん延を招くことで政治への信頼を大きく傷つけ、批判する人々を「こんな人たち」と言って分断・敵視し、ウクライナ侵略に便乗して敵基地攻撃論や核共有論を叫び、力対力の論理を振りかざして大軍拡と9条改憲を主張するなど、暴力による言論の圧殺に道を開くような風潮を強める役割を演じてきました。このような自由と民主主義を敵視する右傾化や力づくで問題を解決しようとする社会風潮を強めた責任の一端は安倍元首相自身にもあったことは否定できず、その結果とも言える凶弾に倒れることで自ら先導してきた社会変容がどれほど大きな問題を抱えているか、身をもって示す形となったのは皮肉と言うほかありません。
 選挙の自由を犯す犯罪行為を防ぎ、新たな悲劇を繰り返さないためにも、社会の分断と敵意を扇動してきた安倍元首相の主張や志を受け継いではならず、その仲間である自民・公明の与党と維新を勝たせてはなりません。参院選最終盤に勃発したこのような事件が選挙の結果にどう影響するかは不明ですが、少なくとも卑劣な蛮行に屈するような形で選挙活動を自粛・自制したり、「弔い合戦」などと言って安倍元首相の死を政治的に利用したりすることは許されず、有権者も感情に流されることなく冷静な判断に基づいて投票していただきたいと思います。

 ということで、昨日の続きです。

 第4に、スキャンダルだらけの政党・政治家の居直りと逃亡を許して良いのかという問題があります。今回の選挙に至るまでもそうでしたが、選挙期間中も「政治とカネ」の問題や政治家としての資質に疑問符がつくような暴言が相次いでいるからです。
 つい最近も、自民党の茂木幹事長が消費税の減税をめぐって「年金財源を3割カットしなければならない」「社会保障を3割カットしなければいけない」などと恫喝発言を繰り返し、舌禍の常連で「ナチスの手口に学べ」でよく知られる麻生副総裁が「子どもの時にいじめられた子はどんな子だった。弱い子がいじめられる。強いやつはいじめられない」と、プーチンに侵略されたウクライナの方が悪かったかのような発言を行っています。山際経済再生相も「野党の人から来る話はわれわれ政府は何一つ聞きませんよ。だから皆さんの生活を本当に良くしようと思うなら、やはり自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と言い放ちました。
 大臣は公職ですから、公平で中立的な立場から国民全体の話を聞かなければならないのは当然でしょう。暴言では維新も負けておらず、このような「本音」の人を大臣や議員・候補者にして政治の場でのモラルの崩壊を放置し、安倍元首相の桜を見る会前夜祭をめぐる「政治とカネ」についての疑惑の数々を放置し隠ぺいしてきた責任を今回の選挙できちんと問わなければなりません。

 第5に、翼賛体制づくりが進んでいることにもはっきりとした異議申し立てを行い、与党化を阻まなければなりません。この点では、野党の分断と与党へのすり寄りを強めてきている維新の会とそれに引きずられている国民民主党の責任を問う必要があります。
 野党であるにもかかわらず自民党以上に右翼的でタカ派、改憲をたきつけて新自由主義を推進する勢力となっているのが維新の会です。「身を切る改革」と言いながら収入の8割の30億円は政党助成金頼みで、これについては口をつぐんでいます。
 松井代表は「原子力潜水艦は非常に大きな防衛力強化になる」「核共有」の「議論は当然だ」「日本は資本主義」だから「格差は受け入れるべきだ」などの発言を繰り返し、原発についても岸田首相に「再稼働の決断を」迫り、改憲についても「発議までのスケジュールをしっかりと」示すように求めています。政権が交代しても、このような政党が加わったものであれば、それは政治が前に進むのではなく後に退く政権「後退」にしかならないでしょう。

 第6に、このような争点について正しい活路を示すことができるのは立憲野党による共闘しかありません。野党共闘を再建し、次の総選挙に向けての新たな展望を開くためにも、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社会民主党の立憲野党を勝利させる必要があります。
 与党と翼賛体制づくりに手をかす補完野党に対抗し、それとは異なるもう一つの選択肢を提示するまともな野党、9条をはじめとした憲法条項を忠実に守り政治と生活に活かす立憲野党の勝利によって日本の政治を立て直さなければなりません。すでに壊れ始めている日本を救う道は、一日も早く野党連合政権を樹立することです。
 強すぎる与党とそれにすり寄る補完野党の増大は、政治の緊張を損ない国会での議論を低調なものにしてしまいます。行政府と立法府の間の緊張関係を取り戻し、行政に対する国会のチェック機能を回復するためにも、参議院における強い野党の存在と効果的な行政監視、鋭い問題解明、厳しい責任追及が不可欠です。

 参議院選挙も、安倍元首相への銃撃と殺害という悲劇によって情勢は混とんとしてきました。いつでも選挙情勢は最終盤でがらりと変わる可能性がありますが、今回は特に最終盤での取り組みが大きな意味を持つように思われます。
 戦争に引きずり込むような政治ではなく、暮らしに希望が持てるような政治の実現に向けて、気候危機打開やジェンダー平等に関心を持たない政党・政治家の退場を求めて、ぜひ一票を投じていただきたいと思います。政治に関心を持たず、今まで投票してこなかった政党支持なし層などの「沈黙の艦隊」が政治の転換を求めて動き出すとき、そこにこそ希望が生まれるのですから。

nice!(0) 

7月8日(金) 自民・公明の与党と維新の会を勝たせてはならないこれだけの理由(その1) [参院選]

 戦争と平和、命とくらしをめぐって注目された参議院選挙が最終盤を迎えました。その選挙情勢は相変わらず自民・公明の与党が堅調で、過半数確保は確実のようです。
 野党では、維新の会が立憲民主党を猛追しており、比例代表で野党第一党になる可能性があると報じられています。まだ4割近くの有権者が投票先を決めていないという調査もあり、情勢が大きく変わる可能性もありますが、このまま自民・公明の与党と維新が勝つということで良いのでしょうか。

 第1に、今回の選挙では物価高に焦点が当たり、それに抗して暮らしを守るのか壊すのかが大きな争点になりました。低収入と格差の拡大、新自由主義とアベノミクスの継続、異次元の金融緩和と極端な円安、経済無策を放置してよいのかも問われています。
 このような政治を続けてきた与党が勝てば、それで良いと有権者によって承認されたような形になりますし、大企業のための新自由主義的な規制緩和を主張する維新の会が勝てば経済はもっと悪くなります。世論調査では反対が多い岸田政権の物価高対策についても、このままで良いということになってしまうでしょう、
 野党のほとんどは消費税の減税を打ち出しており、参院選は消費税減税をめぐって事実上の国民投票のようになってきました。物価高の大きな波が押し寄せてくるのは夏から秋にかけてのこれからですから、与党が勝てば国民生活の危機はさらに大きなものとなるにちがいありません。

 第2に、今回の参院選はウクライナ侵略の後ということもあって、戦争か平和かの岐路での重大な選択が問われることになりました。選挙の結果次第では、GDP1%の防衛費が倍加され11兆円にまで増やそうという大軍拡に向けての推進力を与えることになってしまいます。
 このような大軍拡は周辺諸国の警戒心を高めて軍拡競争を引き起こし、国富を軍事に振り向けることによって経済成長の足かせとなり、財源確保のための増税によって国民生活を脅かすことになるでしょう。百害あって一利もない大軍拡にゴーサインを出してはなりません。
 翼賛体制の下、知らず知らずのうちに戦争へと引きずり込まれた戦前のようになってきました。自民党だけではなく維新の会も防衛費の倍増と核共有を主張しており、これにストップをかける最大のチャンスが今回の選挙です。

 第3に、このような好戦的なキナ臭い空気が強まるなかで、憲法9条が危うくなってきました。憲法9条を捨てるのか活かすのかが問われる重大な局面が生じています。
 この選挙で、与党だけでなく自民党以上に好戦的で9条改憲に積極的な維新の会を勝利させれば、選挙後の国会で改憲発議に向けての動きが強まるでしょう。もし、憲法9条に自衛隊を明記することになれば、平和主義は空洞化し、戦争への歯止めが外され、自衛隊を守ってきたバリアーが消え、学術研究も軍事転用が優先されて自由に発展できず、平和経済から軍事経済へと転換することによって国際的な競争力を失ってしまうにちがいありません。
 これまでの日本は、安保体制によってアメリが始めた戦争への協力を強いられましたが、9条という憲法上の制約があるために全面的な加担を断り戦争への深入りを避けることができました。憲法9条を盾にして、ベトナム戦争に協力はしても自衛隊を派遣せず、イラクに陸上自衛隊を派遣しても「非戦闘地域」のサマーワで水の供給や道路の補修という非軍事的業務に従事したため殺すことも殺されることもなかったという事実を忘れてはなりません。

 今回の選挙では、この9条の制約、日本を守ってきた盾を放り投げても良いのかが問われています。まさに、日本の平和と安全、これからの進路と未来を左右する重大な選択がかかった選挙です。
 平和と安全を守る決意をはっきりと示すためにも、自民・公明と維新の会などの改憲勢力にきっぱりとした審判を下さなければなりません。憲法9条こそ戦争への防波堤であり、日本を守ってきたのですから。
(この項続く)

nice!(0) 

7月7日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月7日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「選挙前に正体露呈 チンピラみたいな議員ばかりの自民党」

 山際経済再生相が3日の応援演説で「野党の人から来る話はわれわれ政府は何ひとつ聞かない。生活を本当に良くしようと思うなら、自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と発言。「民主主義を理解していない」と猛批判を浴びている。

 5日の閣議後会見で、山際は発言について「地域の意見を国政に反映させたいと強調する文脈の中で、誤解を招く発言になった」と釈明したが、明確に「野党の話は聞かない」と言っているのだから、誤解でも何でもない。しかも、発言の撤回はしないというから確信犯だ。批判されたので「誤解だ」と火消ししているだけで、「野党の話は何ひとつ聞かない」は本音なのだろう。

 「野党の話を聞かないということは、野党議員の背後にいる国民の声も無視すると言っているに等しい。あまりに選挙と有権者をバカにした発言です。しかも、この人は閣僚ですよ。行政は自民党支持者だけでなく、すべての国民に対して責任を負う。公平中立な立場で、広く国民の意見に耳を傾ける必要があるのに、自分たちは不偏不党ではないと公言したのです。松野官房長官は厳重注意したといいますが、注意で済む失言ではなく、閣僚辞任に値する暴言です。それに、山際大臣は『われわれ政府は』と言いました。こんな暴言大臣を辞めさせないのなら、野党の話は聞かず与党支持者のためだけの政治をすることが岸田首相をはじめとする政府の統一認識ということでしょう」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 力の信奉はプーチンと同じ、国民も弱者は切り捨てられる

 戦争の原因は、宗教やイデオロギーの対立、あるいは経済的な損得勘定が発端になることが多い。少なくとも自国民を納得させるだけの口実は必要で、現代社会において、「あの国は軍事力が弱いから戦争を仕掛けてやろう」なんて理由で始まる戦争はないのだ。

 日本が他国に侵攻の口実を与えるとすれば、軍事力が弱いからではなく、逆に軍拡が周辺国にとっての脅威とみなされた時だろう。他国との宗教的な対立も抱えていない。資源に乏しい日本には、侵攻される経済的な理由もない。

 「麻生副総裁の理屈で言えば、ウクライナは弱いから侵攻されたことになる。核を放棄したウクライナが悪いとでも言うのでしょうか。強ければ攻められないという力の論理の信奉は、プーチン大統領の蛮行を正当化することになります。軍事力が強大な米国に盾突くのは怖いから従順に尻尾を振って、米国の威を借りているのも、いじめの対象にならないための処世術なのか。いずれにせよ、自民党の質の低下を象徴するような人物です。麻生氏はこれまでも『ナチスの手口に学べ』など舌禍は数限りなく、本来なら何度クビになっていてもおかしくないのに、何を言っても『またか』とスルーされて治外法権のようになってしまった。あり得ないような暴言を厳しく批判せず、“麻生節”などと言って甘やかしてきた大メディアにも大きな問題があります」(五十嵐仁氏=前出)

 麻生は1日にも、選挙応援の講演で「『政治に関心がないのはけしからん』と偉そうに言う人もいるが、政治に関心を持たなくても生きていけるというのは良い国です」などとドヤ顔で言っていた。

 かつて自民党の森喜朗首相(当時)は、選挙で「無党派層は寝ててくれればいい」と口をすべらせて猛批判されたものだ。政治に関心がなくていいという麻生発言も根っこは同じ。政府・与党が決めることに国民は異を唱えず、黙って従っていればいい。それが自民党の本音なのである。


nice!(0) 

7月6日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月6日付に掲載されたものです。〕

*記事「山際大臣発言だけじゃない! 岸田自民を待ち受ける参院選終盤“まさか”の落とし穴」

 メディアは、序盤から一貫して「与党優位」と報じている。

 「1人区での野党候補の一本化が11選挙区にとどまり、自民には当初から楽勝ムードがありました。ただ、ここへきて福島、福井、宮崎など『自民優勢』から『接戦』に転じた選挙区も出てきた。楽勝ムードで失速気味の自民に対し、必死の野党候補が猛追すれば、自民が圧倒的に強い県を除いた多くの1人区で接戦に持ち込める可能性は高いと思います」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 4日の読売新聞と日経新聞は、32の1人区のうち、19選挙区で「自民優勢」と伝えた。逆に言えば、13選挙区で野党が勝つ可能性が残っている。前々回の11勝、前回の10勝を上回る数字だ。自民が1人区で気を抜いてオセロのようにひっくり返れば、全体の勝敗も違ってくる。

 「野党に追い風が吹いているとは思えませんが、逆風もない。自民はマイナス材料が出てきています。事前の情勢報道と違った選挙結果になることはよくあること。投票日までに情勢はいくらでも変わります」(五十嵐仁氏)

 岸田自民が落とし穴にハマれば、アッと驚く開票結果が出るかもしれない。


nice!(0) 

7月5日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「サハリン2がいい例だ 誰もが疑い始めた岸田首相の能力」

■有事の課題にお手上げ状態

 経産省が4月12日に開催した「第47回電力・ガス基本政策小委員会」。この審議会が公表した電力需給見通しによると、今夏が10年に1度の猛暑となった場合、7月には東北、東京、中部各電力管内の予備率は3.1%まで下がると明言してある。

 サハリン2からの調達に支障が出ていないことを前提とした推計でも、3.1%は安定供給に必要な3%をギリギリ上回る水準だ。既存の発電所でトラブルが起きたり、送電網に問題が生じれば最悪の場合、いきなり「ブラックアウト」(大停電)になってもおかしくない。

 これだけ明確に政権内で警鐘が鳴らされていたのに、岸田がこの間やったことといえば、節電に協力した世帯に2000円相当のポイントを付与するという「天下の愚策」を打ち出しただけ。

 早すぎる梅雨明けで、いざ酷暑が到来すると、7年ぶりとなる全国的な節電要請を出し、休止中の発電所の再稼働で電力不足を乗り切ろうとするドタバタぶりだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「岸田首相は『聞く力』を売りにしていますが、実体は『聞き流す力』。ウクライナ戦争の当事国でもないのに、軽率にも日本の安保・外交を根本的に転換させ、物価高やその要因でもある異常な円安に関わる金融・経済対策には『何もしない』で無為無策です。何もしなければ敵をつくらないと言わんばかりで、日本が直面している『有事』の喫緊の課題に対し、お手上げ状態です。いま何もできない首相が、選挙が終われば変わるわけもない。この参院選で国民は1票の力で『これじゃダメだ』とハッキリと分からせ、目を覚まさせるしかありません」

 もはや岸田の無能ぶりに誰もが気づき始めたのではないか。国民生活を救う決意などこれっぽっちもないクセに「暮らしを守る」なんてエラソーな演説は嘘っぱち。もはや自虐ギャグにもなりやしない。

nice!(0) 

7月4日(月) 日本共産党への「4つの期待」 [参院選]

 6月28日付の『しんぶん赤旗』に「共産党ここに期待」として私の談話が掲載され、6月30日のこのブログにもアップさせていただきました。「今こそ〝ソフトパワー〟」という見出しでの談話でしたが、それは私が語った「期待」のほんの一部にすぎません。
 インタビューされたときに述べた内容について、この場を借りて補足させていただきたいと思います。それは端的に言えば以下のような「4つの期待」というものです。

 第1は、壊れ始めている日本を救い、立て直してほしいということです。今の日本はすでに様々な面で壊れてきているからです。
 壊してきたのは歴代の自公政権ですが、それが急速に進んだのは第2次安倍政権のときからでした。いくつか例示すれば、消費税の8%から10%への引き上げによる家計の破壊、新型コロナウイルス感染への無策による健康の破壊、最近の急激な物価高による生活の破壊、そしてアベノミクスの下で進行した賃金停滞・年金削減による収入の破壊などがあり、安倍政権の下で次々に露呈したモラルの崩壊と政治・行政の私物化も目に余るものがありました。
 これらにストップをかけ、立て直すことはもはや待ったなしの急務となっています。アベノミクスと新自由主義に対する追及の先頭に立ち、消費税の減税、最賃1500円、内部留保への課税など「やさしく強い経済」の実現に向けて具体的な政策を掲げている日本共産党に、大きな期待を寄せたいと思います。

 第2は、大軍拡・改憲にストップをかけ、憲法9条と日本の安全を守ってほしいということです。ロシアによるウクライナ侵略という惨事に便乗した軍拡志向の大合唱に対して、防衛費の増額に反対し、東アジアにおける平和外交のビジョンを掲げているのは日本共産党だけになってしまったからです。
 周辺諸国や国際社会から見れば、日本は戦争でも始める気なのかと疑われるようなキナ臭い好戦的雰囲気が高まっています。そのようなとき、軍拡と9条改憲に反対し、外交と対話による緊張の緩和を主張している共産党の存在は貴重です。
 赤旗の取材でもソフトパワーの重要性について話しましたが、結成以来侵略戦争と植民地支配に命がけで反対し、100年の時を経た現在も反戦・平和を求めている日本共産党は、その存在自体が周辺諸国の敵意を減らし信頼を確保するためのソフトパワーの一つにほかなりません。日本に対する国際社会の懸念と疑念を和らげる役割を果たしている共産党の存在と役割は、これまで以上に大きなものになっているというべきでしょう。

 第3は、時代錯誤の逆行を阻み、日本が世界と時代の流れに合流するようにしてほしいということです。この点でも植民地支配に反対して自由と民主的な権利を求め続けてきた共産党の歴史とその発言は大きな価値を持ち、一段と輝きを増すにちがいありません。
 アメリカでの人種差別反対やBLM運動の展開などに触発され、世界的に奴隷貿易と侵略戦争、植民地支配という負の歴史を直視し、その汚点を拭い去るための見直しが進んでいます。ところが日本では、このような負の歴史から目を背けるばかりか、正当化するための「歴史戦」が叫ばれ、同じアメリカの同盟国である韓国とさえギクシャクした関係になっています。
 このような近隣諸国との不正常な関係を正し、北朝鮮や中国を含めた不和の解消と緊張緩和、友好的な国際関係を確立することが必要ですが、そのような展望とビジョンを打ち出しているのも共産党だけです。環境危機の解決とジェンダー平等の実現、脱原発と再生可能エネルギーへの転換、国連の核兵器禁止条約の批准と締約国会議への参加などの国際的な流れに合流することを掲げている共産党こそ、歴史こそ古いものの時代の最先端を行く政党ではないでしょうか。

 そして第4に、与党にすり寄る翼賛化ではなく野党としての本来の在り方を示し、野党共闘を立て直してほしいということです。「野党は批判ばかり」という批判を恐れて一部野党が与党に接近し翼賛化を強めているなかで、まともな野党の存在と共闘への誠意ある対応がますます重要になってきているからです。
 昨年の総選挙以降、維新の会は自民党以上の極右・タカ派路線を強め、国民民主党は当初予算に賛成して不信任案に反対し、連合に揺さぶられて動揺した立憲民主党も提案路線を打ち出すなど野党としてのあり方が問われる事態が続出した結果、参院選に向けての野党共闘も一部にとどまりました。野党の翼賛化が強まったために政府に対する国会のチェック機能は弱まり、議会制民主主義の空洞化も進行しています。
 このような状況を打開するためには、国民連合政権の提唱以降、野党共闘の要石・推進力としての役割を果たしてきた共産党が、野党内での発言力を強めるしかありません。安倍元首相の桜を見る会前夜祭の疑惑の解明など、その調査力と追及力は実証済みで、このような政党こそ本来の野党としての姿を示すことができるのではないでしょうか。

 このままでは日本は滅びると、危機感を強めています。それを阻止するのが、今度の参院選の最大の意義です。まだ一週間近くの時間が残されていますから、有権者の皆さんが熟慮され誤りのない選択をされることを大いに期待したいと思います。
 1998年の参院選では、選挙前に楽勝すると見らていた自民党が橋本首相の恒久減税をめぐる発言の揺れなどもあって大敗し、選挙後に橋本首相は辞任に追い込まれました。今回の参院選でも、自民党の茂木幹事長が「消費税減税なら年金は3割カットだ」という恫喝発言で怒りを買っており、同じような歴史が繰り返されないとも限りません。
 オーストラリアやフランスの総選挙では、物価高騰への批判が高まり与党が敗北しています。この世界の流れに、ぜひ日本も加わってほしいと願っています。

nice!(0) 

7月3日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月2日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「戦犯は暴言幹事長 自壊が続く自民党はどんどん票を減らしている」

 茂木幹事長は「消費税減税なら年金は3割カットだ」と国民を恫喝しているのだから、有権者が怒らないはずがない。

 NHKの日曜討論で、野党各党から物価高対策として消費税の減税や廃止を求められると、「消費税を下げるとなると、年金財源を3割カットしなければなりません」と吐き捨てている。さすがにネット上でも〈年金を人質に取った脅し〉〈国民に対する脅迫だ〉と批判が噴出している。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

 「そもそも、消費税が社会保障のために使われているという主張は大ウソです。消費税は使途が決められた目的税ではありません。実際、消費税が8%から10%に引き上げられる8カ月前の2019年1月の衆参本会議で、当時の安倍首相は『増税分の5分の4を借金返しに充てていた消費税の使い道を見直す』と発言し、社会保障費ではなく、借金返済に回されていたと明らかにしています。どうして茂木幹事長は、国民の感情を逆なでするようなことを口にしたのか。完全に墓穴を掘っています」

 さらに、6月30日には、自民党の国会議員による議員懇談会の会合で、「同性愛は精神障害で依存症」などとLGBTを差別する内容の冊子が配布されていたことが発覚している。冊子が配られたのは、自民党議員が集まる「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合。懇談会には、岸田首相や安倍元首相を含む200人以上の自民党議員が会員として名を連ねている。冊子には〈(同性愛は)後天的な精神の障害〉〈回復治療や宗教的信仰によって変化する〉といった同性愛者を蔑視する言葉が書き連ねてあった。

 心ある国民は、自民党に対して強い怒りと嫌悪感を持ったに違いない。

 さらに、18歳の女子学生に酒を飲ませた「パパ活」問題がくすぶる吉川赳衆院議員も“雲隠れ”したままで、結局、夏のボーナス286万円が支給されてしまった。

「LGBTの蔑視など、世界の潮流から逆行する考え方で、時代錯誤にも程がある。また、18歳女性とのパパ活など言語道断です。政策の是非以前の問題で、自民党には人としての資質を欠いた恥ずかしい議員ばかりが集まっている印象です。さすがに有権者も、そんな政党に政治を任せていいのか、と思い始めているでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

 もともと腐敗堕落の破廉恥政党が、長い選挙戦で次々と馬脚をあらわしている格好だ。自民票がどんどん減っている。

nice!(1) 

7月2日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月1日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「何をNATOまでノコノコと 岸田首相の恐るべき勘違い」

■際限なく戦争のできる国へ

 軍拡がさらなる軍拡を呼び、軍拡競争に陥るのは必然。安全保障のジレンマだ。バイデン大統領に呼び出されるがままにノコノコとNATOまで出張っていって、「米欧との連携強化で日本の抑止力が高まる」と本気で考えているのだとしたら、岸田の恐るべき勘違いである。

 外交努力を放棄し、世界の分断に加担、軍事的対立を先鋭化させる“ハト派”の首相はあまりにも危険だ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「集団安全保障体制をとるNATO拡大がウクライナ戦争の引き金となったことから明らかなように、軍事同盟との距離は慎重に見極めなければ国の行く末を危うくします。これまでの日本は、憲法9条の制約によって安全保障を軍事同盟や軍事力増強に頼まず、対話や交渉といった外交努力を重ねてきた。ところが、岸田首相はいかにも時流に乗って、成り行きで国是を変えようとしている。きちんとした議論の積み上げや熟慮などの形跡は見えない。なし崩しで平和主義と専守防衛を捨て去ろうとしているのです。岸田首相自身、事の本質を理解しないまま、国のあり方を大きく変える方向へ舵を切ろうとしているようにも見え、ある種の軽薄さに恐ろしさを感じます」

 自民党は参院選で改憲勢力の3分の2維持を既定路線とばかりに、憲法改正に向けてギアを上げている。選挙後にできるだけ早く憲法改正の原案を国会提出し、発議を目指すと公言する茂木幹事長は「例えば、1年以内、2年以内にやろうということも含めて、主要政党間でスケジュール感を共有することが重要ではないか」と踏み込んだ。大型国政選挙のない「黄金の3年間」に一気呵成にやってしまおうという腹だ。

 自民の改憲項目にある「自衛隊明記」によって集団的自衛権の無制限行使が可能となり、「緊急事態条項創設」で政府は憲法を超越した措置を取れるようになる。2027年までに台湾有事発生を想定するバイデン政権に唯々諾々として、米国と一緒に際限なく戦争のできる国に突き進もうとしているが、選挙結果次第でまだ止められる。

nice!(0)