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7月18日(火) 「自民党と公明党にこれ以上政治を任せておいて良いのか」が最大の争点 [解散・総選挙]

 ようやく、総選挙が公示されました。待たされたものです。

 NHKの昼のニュースを見ていたら、麻生首相の第一声が流されていました。八王子の駅前で、「民主党は成長戦略なしに、高速道路はタダにします、児童手当はタダにしますと……」と演説しています。
 7時のNHKニュースでは、「児童手当はタダにします」という部分はカットされていました。NHKも気がついたんでしょう、「この部分は間違いだ」ということに……。
 まあ、間違いは誰にでもあります。私も昨日のブログで、「文春新書」と書くべきところを「文春文庫」と書き間違えました(ご指摘、ありがとうございました。訂正しておきました)。ただし、多くの場合は笑ってすますことができても、麻生さんの場合はどうでしょうか。

 さて、福田前首相さんが、総選挙での自民党勝利を願って身を引いてからほぼ1年。麻生さんが「解散します」と宣言してからでも約1ヵ月以上も待たされました。
 国会が解散されてからでも、戦後最長の40日になります。というより、憲法の規定からいって、これ以上、長くすることができない最長の期間をおいての総選挙公示です。
 それもこれも、内閣支持率の低さを懸念してのことでした。同時に、民主党の勢いを恐れたための逡巡でした。

 その結果、国民は待ちくたびれてしまいました。それだけに、やっと総選挙になったとホッとする気持ちも強いのでしょう。
 ここまで待ちぼうけを食わせ、同時に「前景気」を煽ってきたのですから、選挙への関心が高まるのは当然でしょう。NHKの調査では、必ず行くという人が71%、行くつもりだという人が20%、合計で9割を超えました。
 東京新聞の調査(8月13~16日)では、「関心がある」56.4%、「ある程度関心がある」31.7%で、合計88.1になっています。朝日新聞の調査(8月15~16日)でも、関心が「大いにある」49%、「ある程度ある」38%で、合わせて87%です。

 つまり、8割から9割の人が、今度の選挙に関心を持っていたり、投票に行くと答えていることになります。かつてない関心の高まりであり、投票意欲の強さです。
 それは、今度の選挙が、これまでの選挙と大きく異なっているからです。今度の選挙での真の争点は、マニフェストで示されている個々の政策の是非というようなレベルを超え、自公政権の正統性そのものなのです。つまり、「自民党と公明党にこれ以上政治を任せておいて良いのか」が正面から問われているのであり、国民が「ノー」と答えれば政権のあり方を変えることができます。
 新聞の見出しに、「政権選択」や「政権交代」という文字が躍っているのは、そのためなのです。与党からすれば、決して目にしたくない見出しでしょう。

 今度の選挙の意義は、新たな政権を選択して政権を交代させるという点にあります。そして、有権者の関心の高さと世論調査の動向からすれば、ほぼ確実にそうなるにちがいありません。
 東京新聞と朝日新聞の調査では、「あなたは小選挙区でどの政党の候補者に投票する予定ですか」という問いへの回答は、次のようになっています。 前の数字が東京新聞、後の数字が朝日新聞の数字です。

        東京    朝日
自民党    18.7     21
民主党    35.8     40
公明党     3.1    2
共産党     2.4    3
社民党     1.3     1

 同様に、「あなたは比例代表でどの政党に投票する予定ですか」という問いへの回答は、次のようになっています。

自民党    16.2     21
民主党    34.6     40
公明党     5.2     4
共産党     3.3     5
社民党     1.8     2
 
 両方の調査から分かることは、小選挙区でも比例代表区でも、民主党は自民党の約2倍の支持を集めているということです。この数字からすれば、自民党が第1党の座を民主党に奪われることは確実です。
 とりわけ、小選挙区での数字は深刻でしょう。小選挙区では、相手候補を1ポイントでも上回れば当選するのですから。
 それが、東京新聞の調査では17.1ポイント、朝日新聞の調査では19ポイントも上回っています。もちろん、これは平均値であって、選挙区ごとの固有の事情や選挙情勢がありますから全てそうなるとは限りません。

 もう一つ、注目されるのは、朝日新聞調査での公明党と共産党の数字です。小選挙区では2%対3%、比例代表区では4%対5%と、公明党よりも共産党の方が各1ポイント多くなっています。
 これは政党支持率でも同様です。「いま、どの政党を支持していますか」という問いへの回答では、公明党が2%、共産党が4%と、ダブルスコアになりました。
 しかも、このような「逆転」は、過去4回の調査のうち、今回になってから生じています。最近になってから、政党への支持態度や投票予定における変化が生じたということなのでしょうか。東京新聞の調査ではそうなっていませんから、朝日新聞調査だけの変化なのでしょうか。

 いずれにしましても、これまでにない大きな支持変化が生じていることは確かなようです。戦後政治における巨大な地殻変動の予感を秘めて、総選挙は今日スタートしたばかりです。